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産直野菜+ワインテイスティングビュッフェを味わう
「野菜食堂 サクラサク」
(東京・神楽坂/野菜料理)
第325回 2010年7月20日
野菜本来の旨みを追求したココット料理。
場所は神楽坂のランドマーク、毘沙門天の斜め前にあるガラス張りのビルの4階。同じビルの3階には系列店の「つみき」がある。
エレベーターを上がったエントランス。
店内。居抜き物件でワインタワーは元からあった。
ガラス張りの開放感ある、窓側のテーブル席。
出店の動機は、有村壮央社長の父君がリタイアし、セカンドライフとして和歌山県で農業を始めたこと。当初は魚串の店や「つみき」に送っていたが、今回の「野菜食堂 サクラサク」の出店にあたり、有村社長の父君がネットワークされている有機栽培のグループや、茨城、群馬の有機栽培農家を束ねている業者とも組んで、野菜の安定供給を実現している。
料理は野菜の生の風味、食感を味わう旬の野菜10種を盛り合わせた「有機野菜のサラダ バーニャカウダ」(1200円)が一番の売り。
有機野菜のサラダバーニャカウダ。
「安全でおいしい野菜はまだまだ一般に広がっていません。このお店から農家の取り組みを支援したい」(アントレスト取締役兼営業本部長・中岸孝介氏)と、気合が入っている。
野菜のグリル、オーブン、フライもあり、お好みに応じていろんな野菜料理の楽しみ方が提案されている。
特にココットはミシュラン星付きレストランのシェフたちに愛される、ストーブ社のオーブンを使って香ばしく焼き上げており、野菜の旨みが凝縮されており人気が高い。
また、そば粉を使ったクレープ、ガレットは農園野菜との相性も良い。ガレットは4種あり人気は拮抗しているが、「夏野菜のラタトゥーユ」(830円)は特に今の季節なら味わってみたいメニューだ。
ハーブをたっぷり使ったガレット。
一見すると洋食の店だが、実は洋の職人と和の職人が1人ずつ、2人で厨房を回しており、料理の随所に和のテイストが入っている。たとえばロールキャベツには梅干が入っていて、少しおでん風に仕上げている。そうした創作性も面白い。なおこのロールキャベツには、岩手県の「岩中豚」というブランド豚を使っており、肉に甘みがある。
ドリンクでは、店の入口前にはワインタワーがあり、ワイン50種類以上から15種類ほどが飲み放題となる、ワインテイスティングビュッフェ(2時間1500円)が売り。入口付近にワインが置いてある台が置いてあって、各自がセルフでグラスに注いで飲む。各国のさまざまな味わいのワインを幅広くそろえており、飲み比べができる。
ワインテイスティングビュッフェは好評で、4杯、5杯と飲んでいく顧客が多いそうだ。
ワインテイスティングビュッフェ。
顧客層は女性が8割と圧倒的に多い。単価は4000円で、大々的な宣伝はしていないが、神楽坂ではアントレストとして3店目でもあり、系列店で開店を知った顧客が足を運ぶケースも多い模様。
女性受けする野菜料理に加えて、バーニャカウダ、ココット、ガレットといった売りがあり、ワインテイスティングビュッフェとドリンクのほうでも差別化がはかられている。安全・安心な野菜にプラスアルファを備えたレストランとして、順調に伸びていくことを期待したい。
てっぺんOBの西村寛幸店長。
【野菜食堂 サクラサク】
住所 | 東京都新宿区神楽坂4-3 楽山ビル4階 |
電話番号 | 03-5206-8282 |
営業時間 | 火〜木 17:00〜23:30(L.O.22:30) 金 17:00〜翌3:00(L.O.翌2:00) 土 17:00〜23:00(L.O.22:00) 日 11:30〜22:00(L.O.21:00) |
定休日 | 月曜 |
客席数 | 47席 |
客単価 | 4,000円 |
目標月商 | 700万円 |
開店日 | 2010年7月3日 |
経営母体 | 株式会社アントレスト |
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2010年7月16日取材
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