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フードリンクレポート


顔の見えるサステイナブル・ワイナリー「カリテラ」。
野菜にこだわる店にフィット。

2009.12.21
コストパフォーマンスが高いと話題になり、今や定着したチリワイン。そんなチリのワイナリーの中で、将来に渡って環境を持続させようという“サステイナビリティ”に配慮したワイン作りにいち早く取り組んでいるのが、アサヒビールが輸入販売する「カリテラ」。


カリテラのブドウ畑。

自社畑のブドウのみを使用

「カリテラ」の1996年、チリワインの生産者、エラスリスのエデュアルド・チャドウィックとカリフォルニアワインの名手、ロバート・モンダヴィとのジョイントベンチャーとして誕生した。スペイン語で、品質を意味する“カリダード”と大地を意味する“ティエラ”を合成して、「カリテラ(大地の品質)」と名付けられた。2004年にはチャドウィックが所有権をモンダヴィから買い取って100%自社経営となっている。

 ブドウ畑は、チリの首都サンティアゴから車で南へ約2時間半のコルチャグア・ヴァレーにある。畑は山に囲まれた渓谷に広がっている。厳しい自然条件を生かし、糖分・アロマ・タンニンが凝縮されたブドウを使ったプレミアム・ワインが生産される土地だ。


ブドウ畑のある渓谷。

「カリテラ」は自社畑で栽培されたブドウのみを使ってワインを作っている。契約畑は使わない。コストが高くなるが、質の高さと安心・安全を担保できる。しかも、ブドウ畑は広いので、日照の向きや土壌が異なり、同じ品種でも異なる個性のワインとなる。一緒に収穫してしまうと成熟度合いが異なるブドウも混ざり、品質が一定とはならない。そこで、ブドウ畑を細かく区切って収穫のタイミングを調整している。

 しかも、環境への負荷を出来るだけ抑えるサステイナブル・ワイナリーを目標にしている。例えば、領地の75%は手を付けずに自然のままで保護している。チリは乾燥しているので自然火災が発生しやすい。そこで馬を放ち、火災の原因となる下草を食べさせている。少ない水でもブドウに行き渡るような灌漑技術を取り入れ、コンポストも設置。もちろん、化学肥料や化学農薬は使わない。現在、ドイツのオーガニック認証の審査中だ。


放牧されている馬。


ワイン専門家から高い評価

 今年、「カリテラ」はラベルとボトルを変更した。チリ色を強めるため、ラベルにはブドウの木のイラストと、チリの特産品である銅色を使い、リサイクル紙を使用。さらに、ボトルは10%の軽量瓶を使用。共に米国の環境マークであるグリーンシールの認定を受けている。輸送エネルギーと二酸化炭素の排出削減に繋がる。このパッケージ変更と機を一にして、海外のワインコンクールや専門誌の企画で高い評価を受けている。


カリテラ。左から、レゼルヴァ・ソービニヨンブラン、レゼルヴァ・シャルドネ、トリビュート・ピノノワール、トリビュート・カベルネソービニヨン、アルボレダ・メルロー、セーニャ。

 海外では、世界最大規模のワインコンテスト”インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)”をはじめとした国際コンクールにて、様々な賞を受賞している。特に、カリテラ・レセルヴァ・メルローはIWC2009で銀賞を受賞したりと評価が高い。

 自分の時間を楽しむ情報誌『一個人』の2009年12月号で2000円以下の「極旨ワイングランプリ」で「カリテラ・トリビュート・ピノ・ノワール2008年」がピノ・ノワール部門第3位を獲得。審査したソムリエの阿部誠氏は「熟したイチゴやカシス、スパイス香のニュアンスも広がる複雑な印象。落ち着いた味わいで果実味と酸味のバランスがよい。おだやかな酸味が余韻につづく」と述べている。同誌で「カリテラ・トリビュート・シャルドネ2006年」もシャルドネ部門3位を獲得した。


『一個人』の2009年12月号。

 ワイン専門誌『ワイン王国』の2009年11月号で「5ツ星探求 ブラインド・テイスティング 1000円台までで見つけたお値打ちメルロ ザ・ベストバイワイン36本」で「カリテラ・レゼルヴァ・メルロー」が3ツ星を獲得。


『ワイン王国』の2009年11月号。

「カリテラ」の上級クラス「カリテラ・トリビュート」シリーズは参考価格1600円、スタンダード「カリテラ・レゼルヴァ」は同1180円。レゼルヴァは外食では2800円以下という売れ筋の値付けが可能。自社畑ブドウを使ってこの価格の商品はあまりない。

 生産者の顔の見える食材を使う外食店がじわじわ増えている中、ワインでもこだわってみてはどうだろうか。


カリテラのマーケティング担当、鈴木理恵氏(アサヒビール株式会社 ワイン事業部)。


→「カリテラ
海外での受賞歴


【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2009年11月25日執筆


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