フードリンクレポート


ペリエを身近でポップに。
昼下がりのマダムから変身。

2010.1.25
1990年代のファッション雑誌になくてはならない小道具だったペリエ。それから10年以上が経ち、今の若者には身近ではなくなってしまった。それを変えるため、輸入・販売するサントリーは立ち上がっている。


サントリーでペリエのマーケティングを担当する岡林千智氏(サントリー食品株式会社)。

ペリエは仏の誇り

 ペリエはスパークリング・ナチュラルミネラルウォーター。ルーツは紀元前3世紀にさかのぼる。ローマへ行軍中のハンニバル将軍が、ペリエの源泉がある南仏ヴェルジェーズに立ち寄り、泉の水を飲んだという記述がある。そして、1863年にナポレオン3世がこの泉を「フランスの誇り」と讃えた。1898年、ペリエの由来となるルイ・ペリエ博士が瓶詰設備を設け、1903年に本格的な販売がスタートした。

 日本では1980年代後半から90年代に、特徴的な緑色のボトルが若い女性の間で人気となり、ファッションモデルが手に持つ小物として本当に多くのファッション雑誌に登場した。街でも、カフェやビストロ、フレンチレストランに無くてはならないドリンクとなった。

 バブル崩壊とともに市場の流れが変化したり、1992年にペリエが世界最大の食品会社ネスレに買収された後、2006年1月から日本ではサントリーに販売が移るなどの変遷を経た。

「気付いたら、ユーザーは昔流行っていた時に好きだった方々が中心。若い人にとっては、ただの高い水。手の届かない、自分向きじゃない飲み物になってしまっていました」とサントリーでペリエのマーケティングを担当する岡林千智氏(サントリー食品株式会社)と言う。


750ml瓶、330ml瓶、200ml瓶、330ml缶の4種。テイストは、プレーン、レモン、ライムの3種ある。


お酒やジュースの替わり、水とは違う

 今、若者にも飲んでもらおうと、原点に返って外食市場での飲用シーン作りに取り組んでいる。

「カッコ良さはありますが、自分に身近なカッコ良さではない。手の届かないカッコイイ。、自分とは遠い世界なんです。もう少し身近にしてあげたい。カジュアルに飲んで欲しい。ジンジャエールやカクテルを飲む感覚です。ただの水と感じれば少し高いイメージかもしれませんが、お酒やジュースの代替にもなり得る、水以上の価値をアピールしたいです。」と岡林氏。

 ペリエの理想的な提供方法を実施するモデル店を1店舗ずつでも増やしていくことが大きな課題。20〜30代OLが会社帰りに皆がお酒を飲む中、「今日は飲みたくないので、私はペリエ」と注文する。また、最近各店で充実し始めたノンアルコールカクテルの割材としても人気だ。共に、お酒を飲んでいる気分になれることが特徴だ。

 ペリエ販売の理想的な提供方法、ボトルのままお客の手元まで届けること。これにより、「ただの水」にはない、「ペリエ」ならではの特別感をお客様に体験してもらいたい。

 世界的に見た現在のペリエのイメージは、大胆で、カッティングエッジで、エレガントで、セクシーという。日本でも世界に近づけ、身近でポップなイメージにするために、外食市場でのアピールを来年はさらに強化するという。かつてのように外食ではなくてはならないドリンクに復活することを期待したい。


→「ペリエ

【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2010年1月15日執筆