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フードリンクレポート


美肌カクテル「ディタジュレ」
ディタは次々に創作カクテルを提案する。

2010.2.23
“チャイナブルー”“ディタグレ”など人気カクテルを生み出したライチリキュール「ディタ」。家飲みや低価格化の時代の中で、輸入販売するペルノ・リカール・ジャパン(PRJ)は苦戦をしいられてきたが、バーテンダーが作りたくなる新しいカクテルを次々生み出すことに活路を見出そうとしている。


仏の女性ファッションブランド”マヌーシュ”とコラボした「ディタ マヌーシュ リミテッドエディション」。持つのは、DITA担当のマーケティング部 小山亜希子さん。

肉食から草食系に、カクテルの用途が変わった

 ディタが一世風靡したのは、2000年前後の本格カクテルブームの頃。1999年にはディタの販売量は62%伸びたという(フードリンクニュース2000年5月5日記事)。当時、20代女性はアルコール離れが起きていたが、彼女たちを中心にカクテル人気が広がった。しかも、その場所はバーやクラブから始まり、居酒屋へと広がっていった。

 カクテルの割材としてリキュールが総じて人気だったが、ディタはライチフレーバーというユニークさが消費者だけでなく流通やバーテンダーにもウケ、“チャイナブルー”や“ディタグレープフルーツ(ディタグレ)”という有名カクテルを生み出していった。合コンなど出会いの場にはなくてはならないドリンクだった。

 その後時代は変わり、人と知り合う場所が外食店からインターネットや携帯電話に変わる。男性は肉食系から草食系に変わり、インターネットで出会う時代がやってきて、家でパソコンの前で缶入りカクテルを飲む若者が増えた。

 外飲みでも、シャンパン、ワイン、焼酎など女性が飲む酒のバラエティが増え、ディタは数ある中の一つにしか過ぎなくなった。しかも高価なため家庭市場には難しい。

 そこで、PRJはダイニングバーで、バーテンダーが作ってみたいと思うようなカクテルを次々と提案し始めた。


ヒアルロン酸入り「ディタジュレカクテル」

 昨年11月から提案しているのが、「ディタジュレカクテル」。ディタライチをグレープフルーツジュースとトニックで割った「ディタジュレモーニ」と、昨年6月に新発売されたディタグァバをクランベリーとグアバジュースとジンジャーエールで割った「エキゾチックディタジュレグァアバ」の2種。ともに、美肌効果のあるヒアルロン酸をゼリーに配合状にした「ヒアロジュレ」(キユーピー)を加え、心もお肌もプルプル、うるうるになるカクテルとして、女性客に好評を得ている。

「ディタジュレモーニ」
ディタライチをグレープフルーツジュースとトニックで割る。

「エキゾチックジュレグァアバ」
ディタグァバをクランベリーとグアバジュースとジンジャーエールで割る。

「作る楽しさ、飲む面白さのあるカクテルを提案して、バーテンダーの方々がお勧めしやすくしたい。今は提案が多いので1つのカクテルだけではひっぱりにくい。ディタは常に面白いカクテルを提案してくれる、色んなカクテルに対応できるとバーテンダーの方々に思っていただきたい」と、PRJの山本佳史氏(シャンパン・ワイン・リキュール部部長)は語る。

 PRJは、今やシーバスリーガルやアブソルート・ウォッカを始め幅広いポートフォリオを持っている。今年は、1社だけでカクテルコンテストを計画したいと考えているそうだ。ブームは繰り返す。次のカクテルブーム作りに向け、動き始めている。


「ディタ」


【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2010年1月25日執筆


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