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フードリンクレポート


最近、美味しいカクテル飲んでますか?
こんなカクテルに誰がした?あの美味しさとカッコ良さをもう一度! Day1

2010.6.2
近頃、カクテルを飲む機会が減っていませんか?今、若者を中心に“カクテル離れ”が進んでいます。居酒屋で飲んだまずいカクテルに懲りたから?本当に美味しいカクテルに出会ったことがないから?バーでスマートに注文し、丁寧に作られた美味しいカクテルを、名前の由来なんか語りながら飲む。かつて、カクテルにはそんなカッコ良さがあったはず。カクテル人気の復活を期待しながら、1ヶ月間美味しいカクテルを追い求めます!レポートは村田麻未。毎週水曜・金曜に掲載。全18回。


最近美味しいカクテルを飲んだのはいつですか?

最近美味しいカクテルを飲んだのはいつですか?

 最後に美味しいカクテルを飲んだのはいつだろう?と思い返してみても、すぐ思い当たりません。私にとってカクテルといえば、待ち合わせで早く着いてしまった時に一杯飲む。ワインを飲んだ後に飲み足りなくて、もう少しお酒をという時に飲む。というつなぎ的な役割が多い気がします。

 アンケートをとってみても、カクテルをよく飲むと答える人はほとんどおらず、「お酒をあまり飲めない女子が頼むイメージ。甘いから好きじゃない。」(30歳女性)、「食事と合わないから飲まない。カロリーが高いし。」(29歳男性)とのこと。

 また、逆に頼む場合の理由を聞いてみると、「他に飲みたいものがない時に、とりあえずジントニックを頼む。」(32歳男性)や、「飲めないけど、周りに合わせてお酒を頼まざるを得ない時に頼む。」(28歳女性)、「“お酒”って感じじゃないものを飲みたい時に飲む。」(29歳女性)なんていう、本来の価値が認識されていない理由も。やっぱりカクテルの地位は相当下がっている様子。


カウンターでショートカクテルを傾けるカッコ良さはどこへ?

 そこでまず手始めに、美味しいカクテルを求めて正統派のバーへ。「フォーシーズンズ」(銀座)は、コンテストで優勝するようなバーテンダーの方々いる本格的なバー。薄暗く、大人の雰囲気漂う店内には、立派なカウンターがあり、“銀座のバー”といった感じ。好みに応じてあらゆるカクテルを作ってもらえるのはもちろん、コンテストに出品したオリジナルカクテルも飲むことができます。


「フォーシーズンズ」のバーテンダー戸沢さんの「コーラルガーデン」。

 この時作ってもらった、バーテンダー戸沢さんの「コーラルガーデン」は一口飲んだ瞬間、感動の美味しさでした。その名の通り、珊瑚礁の海を思い出させるようなトロピカルで華やかで、それでいて透明感のある味。それもそのはず、コンテストで優勝された時のオリジナル作品だそう。ネーミングの理由や、まつわるエピソードを聞きながら飲むとさらに美味しく、存分に味わえます。

 続いて訪れたのは、フレッシュフルーツを使ったカクテルが売りで、フルーツ・バーと名乗る「バー オーチャード ギンザ」(銀座)。毎日フレッシュなフルーツと野菜が用意され、食材を選ぶとそれに合うカクテルを作ってくれるというお店です。私が選んだのは、ショウガ。そして、出てきたのは「モスコミュール」。ショウガの絞り汁を入れた「モスコミュール」で、銅のマグでギンギンに冷えた状態にもかかわらず、生ショウガ効果で体の芯が温かくなる不思議なカクテルです。


かご盛りになったフレッシュなカクテル素材。実物を見ながら選ぶのがまた楽しい。


生ショウガの入った「バー オーチャード ギンザ」の「モスコミュール」。

 「カクテルを作るのに、市販のジュースなどが使われることが多いですが、本来ならフレッシュ(生)に越したことは無いんです。一日の最後にフレッシュな野菜を使ったカクテルを飲みたいと、トマトのカクテルを飲まれるお客様もいらっしゃいます。」とオーナーの宮之原氏。


「バー オーチャード ギンザ」オーナーの宮之原氏。

 あまり良くない最近のカクテルのイメージを覆すような、技ありの美味しいカクテルを飲み、カクテルの魅力を再認識しました。


【取材・執筆】 村田 麻未(むらた あさみ)


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