・バレンタインに売れる「山崎」や「百年の孤独」ボンボン
お酒入りのお菓子といえば、パッと思い浮かぶのはウィスキーボンボン。「テキーラボール」の発想のルーツも、甘いチョコレートの中にお酒が入っているウィスキーボンボンがあったようだ。
ウィスキーボンボンの売り上げは一時期に比べて低迷していると聞くが、実際はどうなのだろう。そこで大正12年の創業の時に、日本で初めてウィスキーボンボンを製造販売したゴンチャロフ製菓に近況を聞いてみた。
「最近、3、4年でしょうか。ウィスキーボンボンの売り上げは上がっています。バレンタイン用のギフトで期間限定で出していますが、おかげ様で今シーズンは完売しました」とのこと。
そもそもチョコレートの売り上げは冬場が中心であるのだが、ウィスキーボンボンもバレンタインのギフトとして定着し、若い人から年輩まで、多くの女性が買っていくという。
ゴンチャロフのウィスキー、キュラソー、ブランデーのボンボンセット。
また、ロッテではサントリーの「山崎」、「白州」を入れたウィスキーボンボンを2007年からバレンタインギフトとして販売している。サントリーでもそのウィスキーボンボンにマイクロサイズのウィスキーの小瓶を付けたバレンタインギフトを販売して、好評につき今年の販売は終了したそうだ。
サントリーお客様相談室では、「ハイボールの人気も後押ししているのではないか」と、ウィスキーの嗜み方の一環として、ハイボールやウィスキーボンボンの人気が再燃しているとの見方をしている。
お酒入りチョコレートのバリエーションとして、ワイン、焼酎、日本酒などいろんなお酒の入った変わりボンボンも登場している。
焼酎では幻と言われる「百年の孤独」入りチョコレート、日本酒なら「月桂冠」入りのチョコレートなどが、バレンタインギフトとして販売され、売れ行きがいいようだ。
プレミアム焼酎、百年の孤独ボンボン。
月桂冠の日本酒ボンボン。
バーなどでも、「山崎」、「百年の孤独」などの入ったボンボンが提供されると、顧客の興味を引くようで、よくお酒好きの人のブログにアップされている。これら各種ボンボンをうまく使えば、おそらくナイト業態では強力な販促ツールになると思うのである。
元々、ウィスキーにはチョコレートをかじりながら飲む飲み方があるが、一歩進んで、おつまみのメニューとしてボンボンを出せばどうだろうか。
いずれにしても、「テキーラボール」、各種ボンボンのようにアルコール度数の強いお酒をスイーツに使って、おしゃれに食すというトレンドは、特に女性の間では浸透しているように感じられる。
次なるヒットも延長線上で生まれてくるに違いない。「テキーラボール」のさらなる飛躍も気になるが、お酒を扱う業態がアルコール入りスイーツにこれからどのように取り組んでいくのか、注目したい。
歌舞伎町のナイト業態ではテキーラボールが飛び交う店も。