フードリンクレポート


次は、自立。
〜スタッフの自立を求めて模索中。熱くなった次に必要なものとは?〜(5−4)
黒須 優氏 株式会社エーチーム 取締役店舗統括

2010.4.1
「ハートフルホーム」をスローガンに掲げるエーチーム。コンビニや惣菜店を100店近く展開する企業の新事業部門として設立され、2000年4月に飲食事業がスタート。現在、韓国料理「五湯道(おたんどん)」、高級焼肉店「梨の家(なしのや)」など8店を直営。業績が厳しかった2006年、黒須氏は再建人として入社、3年半の軌跡を聞いた。5回シリーズの第4回目。


本部に貼られた各店舗の社員の写真。

次は、自立

「2年目は元気になったので、自分達のミッション、バリューを決めた。それらも僕だけが全て決めたのでなく皆の考えや言葉をひろって作りました。そして“ハートフルホーム”というスローガンを掲げた。それをやるために自立をしなきゃいけない。社長は社会人として自己実現しようという思いを持っていたので、それを実現するためにも皆の自立が必要だったんです。」


“ハートフルホーム”というスローガン

「外部コンサルタントを入れ、コーチングを導入しました。外部の方々と役割分担したんです。1人でやったら時間がかかるが、3人なら1年で終わると思いました。」

 古里太志氏の兄であるコンサルタントの古里渉利氏も加わった。渉利氏もグローバルダイニングで働いた経験をもっている。

「店長の目線が上がってきました。笑顔が出て元気になった。業績は2年目で凄く伸びました。売上は1〜2割の伸びですが、利益はガンと増えた。7億6千万円の売上で9千万円残った。我々は会社になった、と思いました。」

「3年目は、何をやったら自分はどのランクに入って、いくら給料をもらえるのかを明確にしました。競争でやっていく会社にしようとしました。皆、ホテルに入れなかったり、フレンチに入れなかったりして、居酒屋で働くことにコンプレックスを持っている。それを1〜2年で消すために、逃げるな、俺達も世の中に認められる人になれるから、と励ましたんです。いろんなものが化学反応してやる気になっていきました。」


【取材・執筆】  安田 正明(やすだ まさあき)  2010年2月15日取材