フードリンクレポート


世界に日本食文化を広める。
〜かつての「牛角」のように、突き抜ける業態で日本一の外食企業を目指す〜(5−5)
西山 知義氏  株式会社レインズインターナショナル 代表取締役社長CEO

2010.5.14
親会社レックス・ホールディングスが2007年4月、MBOにより上場廃止となり、しばらく表舞台に出なかった西山氏。最近、自社業態の告知目的でテレビ出演も始めるなどレインズの顔として存在感を高めようとしている。今年2月にはツイッターも始めた。西山氏は今や「外食事業に集中する」という。目指す、日本一の外食企業とは。西山氏が沈黙の3年を破って語る。5回シリーズの第5回目。


ロサンジェルスの「牛角」。

世界に日本食文化を広める

 現在、「牛角」の海外出店は現地企業との合弁や直営で20店。2001年7月に海外1号店を米ロサンゼルスに開店させた後、台湾、シンガポール、インドネシアにも展開している。

「海外での展開は、現地のパートナーと組んで最低限のリソースで牛角の価値を世界一にしたい。そのために、まずは海外に牛角を展開していくことを第一義、と思っています。」

「日本の焼肉文化はまだ世界に無い。大都市に牛角を作って知名度をつけて、焼肉文化を広めたい。世界中に牛角があるということが事実になる。それまでには10年はかかるでしょう。」

「レインズの強みは、FCと直営のサービスレベルが高いレベルで変わらないことです。これは、毎月実施している覆面調査の結果にも出ています。このことは、SVのレベルが高いということも言えると思っています。そして、全国に1230店ある物流網とスケールメリットや52週ターゲットを明確にして、打ち手を打っていくマーケティング力、さらには、自社でFCを開発できる能力。これらを合わせて持っていることが、レインズの強みです。」


「ぶっちぎり酒場」

「将来的には、M&Aも考えています。でも今やらなきゃいけないのは、既存業態のブラッシュアップと新業態を大切に、かつ確実に出店していることの2つです」と言う。新業態では、焼魚食堂「魚角」と昨年開発した大衆居酒屋「ぶっちぎり酒場」に期待がかかる。

 大きな夢を抱いて、西山氏が外食市場に帰ってきた。今後のレインズの展開に注目すべきだ。

【取材・執筆】  安田 正明(やすだ まさあき) 2010年4月6日執筆