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エキゾチックに、パラダイス。ビアカクテルの進化形。
~“とりあえず、生”はもう古い?ビールニュースタイル~(3-2)

2011.7.7
梅雨明けし始めそろそろ夏本番。ビールがさらに美味しくなる季節がやってきた。ビールといえば、「とりあえず、生!」が定番だが、最近はビールを新しいスタイルで提供する店が増えてきた。ビールのニュースタイルに注目だ。3回シリーズ。レポートは村田麻未。


シンハーを注いで作る「RESPEKT」のエキゾチックモヒート。

・エキゾチックに、パラダイス。ビアカクテルの進化形。

 ビールを使ったカクテルといえば、ジンジャーエールで割るシャンディーガフ、トマトジュースを使うレッドアイなどが有名。しかし、クセが少なく、炭酸があることからビールの汎用性は高い。面白い使い方をしているビアカクテルを見つけた。

 カフェカンパニーが運営する渋谷の「RESPEKT」では、この時期様々なアレンジのモヒートを提供しているのだが、その中でも注目は「エキゾチックモヒート」。モヒートのベースに、ソーダではなくシンハービールを注ぐのである。


「RESPEKT」店内。ランチ、ティータイム、ディナー、深夜まで様々な使い方ができ、若者が集まる人気店。


「エキゾチックモヒート」メニュー。

 オーダーすると、テーブルにはラム、ミント、氷が入ったグラスと、シンハービールが瓶で運ばれてくる。自分でビールを注ぐセルフメイドのカクテルなのだ。


「エキゾチックモヒート」(1200円)

 シンハー独特の香りとビールの苦味も加わって、確かにエキゾチックな風味になる。1200円は、カフェのカクテルとしては高いと感じるかもしれないが、ビールを足しながら飲むと、カクテル2杯分くらいの量があり、十分に楽しめる。ビールを徐々に加えていくので、味の変化も面白い。モヒートらしく爽やかで飲みやすいが、冷静に考えるとラムとビールなので、通常のモヒートよりはアルコール度数が高い。ある意味キラーカクテルかも知れない。モヒート人気は今年も続いているので、ビールとの組み合わせにも注目だ。


 ビールといえばビアバー。銀座ライオンが東京と大阪で5店舗を展開する「YEBISU BAR」を訪れてみた。「YEBISU BAR」は、今年に入って大阪、東京ドームシティ、神楽坂と、3店舗をオープンし、好調振りがうかがえる。そんな「YEBISU BAR」では、ビアカクテルが充実していた。


「YEBISU BAR 銀座コリドー街店」外観。オープンエアが気持ちよく、人気席。

 ビアカクテルは、定番のものからオリジナルの物までレギュラーメニューには7種類。ローヤルゼリーが入ったものや、黒ビールにスパークリングワインを合わせるなど、ユニークだ。女性を中心によく出ていた。


7種類揃うビアカクテルメニュー。

 上記はYEBISU BAR共通のメニューだが、各店舗オリジナルのビアカクテルもある。銀座コリドー街店で今提供されているのが、「パラダイスキス」。


銀座コリドー街店オリジナルのビアカクテル「パラダイスキス」(580円)

 スタッフ自らが試行錯誤の末開発したというこのカクテルは、パッションフルーツのリキュール、パッソアとグレープフルーツの果汁と果肉にヱビスビールを注いだもの。ビールの苦味とグレープフルーツの苦味が良くマッチしている。パッソアの甘みと、グレープフルーツの果肉の食感も加わり、なかなか複雑味のあるカクテルに仕上がっていた。

 スタッフによれば、定期的に店オリジナルのビアカクテルメニューを開発しており、その都度新しいカクテルが登場するとのこと。

 ホワイトスピリッツとも、甘いリキュールとも合うビール。汎用性の高いビールは、アレンジも無限大だ。
 

【取材・執筆】 村田 麻未(むらた あさみ) 2011年7月6日執筆