フードリンクレポート


【酒類大手4社の2010年】
スーパードライに「エクストラコールド」登場。
アサヒビール株式会社

2010.2.26
アサヒビールは外食市場で、「スーパードライ」の優位性を訴え続ける。すでに日本のビールの2本に1本はアサヒビールだが、更に「スーパードライ」を通じてビールの価値を追求する。


「スーパードライ エクストラコールド」。マイナス0度以下で注出する。

マイナス0度以下でサプライズ

 同社が昨年10月から大型店を中心に導入を進めているのが、「スーパードライ エクストラコールド」。既存のスーパードライ樽生を使い、ディスペンサーを3台連結させた専用装置で注出する。通常の樽生ビールは5〜6度で提供されるが、この装置によりマイナス0度(氷点下)以下となる。

 カウンタードラフトに霜がつき、デジタル温度計で注出温度を表示する演出で、お客の五感を刺激する。さらに、スーパードライ特有のキレが冴え、新たなビールの愉しみかたを提案してくれる。


 大型レストランを18店展開する株式会社銀座クルーズでは「クルーズ・クルーズSHINJUKU」(東京・新宿)、「サンシャイン クルーズ・クルーズ」(東京・池袋)、「リストランテ ベニーレベニーレ」(東京・原宿)の3店で扱っている。先行販売した「銀座クルーズ・クルーズ」(昨年12月でビル建替えで閉店)では昨年9月に生ビール杯数が1.5倍に上がったという。スーパードライ樽生600円、小振りなグラスでエクストラコールドも同じく600円で提供。飲み比べる方も多い。

 現在、この「エクストラコールド」は約20店に設置されている。今年はこの設置店を増やす。但し、10個の条件“エクストラ・スピリット10”を設けて、飲用時品質の維持を求めている。

1) スーパードライ・エクストラコールドを愛している。
2) 樽詰ビールを年間7,600L以上販売(販売予定)している。
3) 「うまい!樽生」5原則を実践している。
4) スーパードライ・エクストラコールドの構造を理解している。
5) スーパードライ・エクストラコールドであることをお客様に積極的に伝える。
6) スーパードライ樽生と併せてオンメニューする。
7) 開栓後2日以内に19L以上の新しい樽詰スーパードライを売り切る。
8) スーパードライ・エクストラコールド専用ディスペンサーを使用する。
9) スーパードライ・エクストラコールド専用タンブラーを使用し、事前に氷水で冷やす。
10) 5杯以上連続注出する場合は提供温度を確認する。

 デフレ商品にお客の目が行きがちな中、高付加価値商品を買いたいと思わせるには、サプライズが必要。そのサプライズをエクストラコールドは提供してくれる。




大瓶、中瓶が1本1円を環境保全などに活用

 3月上旬から4月下旬に製造したスーパードライの缶350ml、缶500ml、大瓶、中瓶の4商品を対象に、1本につき1円を、都道府県ごとに設定した自然や環境などの保護・保全活動に寄付するキャンペーンを実施する。各地の自然環境や文化財の保護に役立ててもらう。昨年は春と秋の2回行い、秋から瓶大瓶と中瓶も対象となった。昨年は2回で約6億8千万円も寄付した。特に、地方活性化が叫ばれる中、都道府県ごとに設定した自然や環境などの保護・保全活動に寄付することが、自治体をはじめ外食企業にも支持された。


環境保全キャンペーンのポスター。

 また、B級ご当地グルメの祭典「B−1グランプリ」。アサヒビールは2008年に福岡県久留米市で開催された第3回大会から協賛している。昨年9月に秋田県横手市で開かれた第4回大会は日本中から約20万人の観客を集めるなど、年々規模が拡大している。第5回大会は今年9月に神奈川県厚木市での開催が決まっており、首都圏からの観客が押し寄せ一段と大きな大会になりそうだ。地方活性化をスーパードライが支援する。

 さらには、外食企業の繁盛をサポートするためのHP「ご繁盛サポートネット」も昨年5月から運営している。必要な情報を必要な時に必要な外食店に提供できる体制を整えた。約1万2千店を登録するアサヒグルメガイドとも連携し、集客と繁盛情報の両面からサポートしている。

→「ご繁盛サポートネット

 不況下、消費者は賢くビール系飲料を飲み分けている。家庭では第3のビールで我慢し、外食時くらいはビールを味わいたいと思っている方が多いようだ。昨年から発泡酒の樽生の扱い店がじわじわ増えているが、ビールと併売店ではまだまだ大半のお客がビールを指名している。消費者もデフレを忘れて、気兼ねなくビールを飲みたい気持ちがあるようだ。サプライズ、環境、地方活性化のキーワードでビール飲用を促すアサヒビールの活動に期待したい。


アサヒビール株式会社


【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2010年2月25日執筆