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神田ミートセンターのペントハウス、女子飲みもOK。
牛舌を活かした「ベコ奉行」
(東京・神田/牛タン料理)

第306回 2010年3月2日

「ベコ奉行」とは人目を引くユニークな店名。
 2009年の外食アワード、「神田ミートセンター」のプロデュースも評価のひとつとなり浜倉好宣氏(浜倉的商店製作所社長)が「中間流通・外食支援事業者」部門で受賞したのは記憶にあたらしい。その神田ミートセンターのトップフロアに、2月8日「ベコ奉行」がオープンした。運営するのは株式会社スパイスワークス(本社・東京千代田区/代表 下遠野亘)。

「肉の殿堂・肉のすべて 神田ミートセンター」は肉料理を中心とした飲食店の集合8店舗の横丁スタイル。今回オープンした「ベコ奉行」は、スパイスワークスが運営する既存の「BECO SHNIN(ベコシュニン)」「ベコヒラ」に続く、牛タンという素材に特化した業態の3つ目。「牛タン」自体がまだ高級なものというイメージがある人もいるだろうと、それを手ごろな価格で様々な調理法で楽しませ提供したいというのが同店の基軸コンセプト。

「ベコ奉行」で看板メニューとなるのはふたつ。一つ目が牛タン鉄板すき鍋(1400円/1人前)。使用する鍋は底の浅い鉄鍋で、そこへ仔牛の骨と鶏ガラでとった出汁をうすく引く。野菜はもやしやたまねぎ、韮など香味野菜を中心にたっぷりとのせる。タンはゆでたものと生の2種を使いふたつの食感が楽しめるように工夫されている。肉と野菜を一緒にぐつぐつと煮込んで甘辛醤油味の牛タンすき焼きともいえる。


牛タン鉄板すき鍋(1400円/1人前)

 もうひとつの看板メニューが牛タンタジン(950〜1100円/1人前)。ブームのタジン鍋を使った逸品。素材のもつ水分だけで煮るのがタジン鍋の特徴。同店ではゆでたタンを使用する。味は「シンプル塩」「さっぱりトマト風味」「スパイシーカレー風味」の3種類から選ぶことができる。


牛タンタジン(950〜1100円/1人前)

 鍋料理はセルフ料理のひとつで提供側としてはオペレーションの負担も軽減され、また鍋メニューをいれることで客単価もあげることがうまくできるというふたつの大きなメリットがある。フロアー段差の多いこの店内では特に扱い易いメニューともいえるだろう。

 その他の牛メニューとしては自家製の燻製料理を揃える。「肉汁たっぷり和牛フランクフルト(1本300円)」や完全自家製のソーセージも各種。「牛タンスモーク(1本700円)」は手間のかかったおすすめメニュー。


肉汁たっぷり和牛フランクフルト(1本300円)


牛タンスモーク(1本700円)

 ドリンクでこだわったのは前割焼酎。事前に焼酎と水とを合わせて寝かす。それにより直前に混ぜるのに比べ、まろやかでおいしくなる。お湯割りは、卓上で七輪をつかってあたため続けられる「ちろり」という道具を使用し提供。本錫(スズ)で作られたこの道具は酒タンポとも呼ばれ、熱々のまま最後の一滴まで楽しむことができる。


前割り熱燗

 日本酒とならんでノスタルジーな神田ミートセンターの雰囲気にあわせたハイボールもラインナップ。スタンダードな「昭和ハイボール(430円)」、レモン果肉たっぷりのすっきりとした「檸檬ハイボール(540円)」、生姜に蜂蜜と鷹の爪をブレンドした大人のハイボール「生姜ハイボール(540円)」と3種類。ネーミングやウンチクも面白く目を引く。

女子には「萬歳楽 加賀梅酒(580円)」という全日空のファーストクラスで採用された梅酒や、梅酒をベースに「温州みかん」「甘夏」「だいだい」「はっさく」「三宝柑」という5種類の柑橘をブレンドした和歌山の究極の梅酒「和宝五柑(580円)」がオススメ。こんな梅酒があるのもちょっとそそられる。

 神田ミートセンターは外観からは少し女性には入りにくい様相。だが今回の「ベコ奉行」は肉食女子もきっと気に入るくつろぎ空間。是非1階から2階へ、そしてその先の螺旋階段を上って3階まで行ってみてほしい。


外観。


内観、3階への階段。


3階店内。

 席配置の仕方でどの席も目線が上手にさえぎられ、個室感がかんじられる仕掛けになっているという。特におすすめは奥の二人用ソファ席。このソファもアンティークコレクションのひとつ。この場所にサイズも雰囲気も不思議なくらいぴったりとマッチしている。


二人用のソファ席。


使いやすいワンフロアは25名以上で完全か仕切りが可能。

 民家等の解体で出た古材を集めて使用し、古さと昭和レトロの懐かしさを演出し親しまれている「神田ミートセンター」。そこへ異なる新しい雰囲気が創り込まれた。センターの中でありながらセンターとはある種独立したセンターのラウンジ的お店をめざす「ベコ奉行」。男性だけでなく肉食女子にも気軽に使いやすい店を目指す。料理と空間が認知され女性も含め幅広く受入れられていくのが楽しみだ。


【ベコ奉行(BECOBUGYO)】
住所 東京都千代田区鍛冶町1-6-7 神田ミートセンター3階
電話番号 03-3255-5144
営業時間 月〜土 16:00〜24:00
定休日 日曜・祝日
客席数 30席
客単価 4,000円
目標月商 非公開
開店日 2010年2月8日
経営母体 株式会社スパイスワークス
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
国井 直子(くにい なおこ)     2010年2月14日取材

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