RSSフィード

2009年11月21日
 とうとう、デフレ宣言。

 菅直人副総裁が11月の月例経済報告で「緩やかなデフレ状況にある」との発表し、物価が下がり続けるデフレになったことを公式に認めました。

 デフレと言えば、バブル崩壊後、1993年に急激な円高となり、消費が一層しぼみました。この中、1993年にすかいらーく「ガスト」が誕生し、94年に「サイゼリヤ」が100店舗を達成するなど低価格を売りにするチェーンが人気となりました。同年にはマクドナルドが210円のハンバーガーを120円に値下げ。この値下げを契機にファストフードの値下げ合戦が始まりました。

 今回のデフレでは、「餃子の王将」、「丸亀製麺」、「鳥貴族」等がデフレの波に乗り、好業績を上げています。

 デフレというと、単価を下げたことにより企業の利益が減り、それが従業員の給料の低下を招き、ますますデフレが進むという、デフレ・スパイラルが言われます。しかし、先の3社は利益を増加させています。

「餃子の王将」を展開する王将フードサービスは、4〜9月で経常利益55億円、75%増。「丸亀製麺」のトリドールは同期間で経常利益24億円、85%増です。「鳥貴族」は非公開企業なので業績は公表されていませんが、メディア露出や巷の評判などから判断すると間違いなく増益でしょう。

 方や、90年代のデフレを乗り切った企業。サイゼリヤは09年8月期決算ではデリバティブ取引の解約損で赤字ですが、営業利益は92億円、22%増。マクドナルドは1〜9月の9ヶ月で経常利益170億円、25%増。

 デフレをチャンスと見て、業績を伸ばす企業は強くなり、利益を長く上げ続けられる企業となれる。。市場に敏感に対応し続けることのできる企業が生き延びるという当たり前の結論なのでしょう。

 このデフレ下で、高級レストランを展開するひらまつが09年9月決算で経常利益10億円、45%増と好業績です。収入の2極分化が進み、デフレというのは庶民層だけの現象なんでしょうか。少なくとも言えるのは、フリー客を相手にする場合はデフレ価格、常連客を相手にする場合は高単価でもまだ大丈夫ということのようです。

(安田 正明)
ランダムトークへのご意見・ご感想は masaaki_yasuda@foodrink.co.jp


【バックナンバー】

マイケル・ジャクソン「This is it」観ました?(2009年11月14日)
「もう500号、まだ500号。」(2009年11月7日)
「池袋・渋谷ダウン、新橋アップ。」(2009年10月31日)
「外食は家庭でも会社でもない場、サードプレイス。」(2009年10月24日)
「新型インフルエンザ、大人への感染が怖い。」(2009年10月17日)

Page Top