力の源カンパニーの「一風堂」が2008年3月についに米国ニューヨークに出店。とんこつラーメンを世界に広める活動がニューヨークから始まった。ニューヨーク駐在の村田麻未記者が「IPPUDO
NY」のプレオープンを取材した。
若者の集まるイーストビジレッジで、地下鉄「Aster Place」駅すぐの好立地。
・イーストビレッジに3/31、グランドオープン
一風堂がマンハッタン、イーストビレッジに3月31日、アメリカ初進出店「IPPUDO
NY」をグランドオープンさせる。これに先駆け、3月17日〜プレス向けのプレオープン、25日〜営業時間を限定したソフトオープン営業を行っている。
店を訪れたこの日は、ランチ営業のみのソフトオープン期間。開店時からお客が絶えず、常に満席状態。17時までの営業の予定だったが、16時にスープが無くなり閉店となった。
「IPPUDO NY」 店内 お客の6割はアメリカ人
・メインターゲットはアメリカ人
メインターゲットであるアメリカ人への認知を優先させるため、プレオープンまでは日本メディアの取材は一切断り、ニューヨークタイムズ、タイムアウト誌始め、アメリカメディアでの露出に専念した。その効果か、お客さんの半数以上約6割がアメリカ人。連れ立って来店し、本場とんこつラーメンを満足げに平らげていた。
ランチメニューは、プレオープンで様々なラーメンを提供した結果から絞り込み、アメリカ人に人気のあった、とんこつラーメン中心の3品をラインナップ。白丸元味、赤丸新味、からか麺。コクのあるとんこつスープはアメリカ人にも受け入れやすいようで、スープの美味しさを評価する人は多かった。
赤丸新味($13)。ランチタイムは、プラス$3で明太子ご飯、もしくはチャーシューご飯と特製ピクルスがセットに。
・「一風堂」と「五行」の中間業態
店のスタイルは、ラーメン中心の「一風堂」と居酒屋感覚の「五行」の中間。ラーメン専門店でありながらも、ディナータイムはつまみとお酒を楽しんでもらい、締めにラーメンを食べてもらいたい、とゼネラルマネージャーの本田一成氏。フードメニューも充実させ、日本酒、焼酎、ビールとドリンクも取り揃えて、使い方はお客様に決めていただきたいと思っています、とも。
食材は全てアメリカで調達しているが、味は日本の味をそのまま再現。ニューヨーク仕様にはせず、本場の味で勝負している。スタッフも日本人スタッフを揃え、開店前にしっかりと教育期間をもうけて日本レベルのサービスを提供できるよう努めている。実際、ニューヨークのラーメン店にありがちなアメリカのファーストフード店並みのサービスレベルとは違い、日本にいるような錯覚を起こすような丁寧なサービスであった。
・一風堂の中で最大規模の82席
トレンディーなところが気に入っていると地元ニューヨーカーが評価する、店の装飾も日本の店舗と同じものを使用。様々な日本の店舗で実際に使用している装飾のエッセンスを集め、82席という一風堂の中で最大規模の店舗をお洒落に飾っている。小規模で飾り気のないマンハッタンの他のラーメン店とは、スケールも雰囲気も全く異なる。
竹をダイナミックにあしらった柱や社員の名前がレリーフとして浮かび上がる壁はユニーク
日本全国の有名ラーメン店の丼を飾ったBarスペース。
価格帯はラーメン一杯$12〜13と高めだが、この雰囲気と味を武器に地元に定着し、本場のラーメン文化をニューヨークに広めて欲しい。
【店舗情報】
「IPPUDO NY」
住所:65 4th Avenue (Between E.9th & E.10th Ave.), New York,NY10003
電話番号: 1-212-388-0088
http://www.ippudo.com/ny/
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取材】 村田麻未(むらたあさみ) 2008年3月26日
株式会社リクルートにて人材ビジネス領域で商品企画を担当。2006年7月から夫の転勤に伴い、NY在住。趣味は、レストラン巡りと料理。日本人、ユーザーの目線を大切にニューヨークのレストラン事情をレポート中。