・今年注目のメキシカンではミチェラーダ。
昨年から今年にかけてメキシカン業態が注目されているが、実はメキシコはビール生産量では世界第6位のビール大国。日本でもおなじみのコロナビールほか様々な種類のビールがあり、ビールの飲み方も様々だ。
そんなメキシコでポピュラーなのが、ビールにライム果汁と氷を入れ、塩と共に飲むミチェラーダ。ライトなメキシコビールに果汁と氷が加わることで、さらに飲みやすく、爽やかで夏向き。女性にもウケそうな注目ドリンクである。
以前、メキシカンレポートの際に取り上げた、四谷にあるメキシカン「ヴィダロッサ」では、レモン果汁を入れるスタイルで提供しているのを紹介したが、実はミチェラーダにも飲み方は他にいろいろあるという。
「メキシカンキッチン ヴィダロッサ」のミチェラーダ
メキシカンピンクが印象的なモダンな「メキシカンキッチン ヴィダロッサ」店内。今までメキシコ料理に興味のなかった層も引き付けている。
今回ミチェラーダを求めて訪れたのは、新橋のメキシカンレストラン「ドンブランコ」。スタッフが毎年のようにメキシコを訪れ、本場の料理やドリンクを提供している。
新橋の飲み屋街の中にある「ドンブランコ」
メキシカンテイスト溢れる店内。サルサ教室やライブなども行われる。
ミチェラーダをオーダーしようとすると、「メヒカーナですか?クバーナですか?」と聞かれてしまった。代表的なミチェラーダは、ライム果汁と氷+塩のシンプルな物で、メヒカーナにあたるが、地方によっては、クバーナと呼ばれるウスターソースやオイスターソース、野菜が入ったミチェラーダが主流の地方もあるというのだ。とりあえず、両方オーダーしてみた。
右のグラスがメヒカーナ。左がクバーナ。
運ばれてきたのは、口に塩が付けられたグラス。写真右側が、シンプルなメヒカーナ。ライム果汁とライムのスライス、氷が入っている。ちなみに、ややこしいのだが、メキシコではライムのことをレモンと呼び、日本で言うレモンは高級品で殆ど使われていないとのこと。日本ではレモン果汁を入れるミチェラーダも見られるが、メキシコではライム果汁を入れるのが一般的。そして、ライムはライムでもキーライムで、日本で一般的なライムより少し甘みがあるのが特徴だ。この店では、本場と同じ、このキーライムを使用している。
ビールは、好みで選び、テーブルで自ら注ぐ。好みの濃さにも調節できる。メヒカーナには、ライトなソルを合わせてみた。
ビールは自ら注ぐ。
ライムのすっきりした酸味と炭酸が爽快。氷で薄まるのと冷え続けるので、何杯でもいけそうだ。
続いて、クバーナ。これには、ライム果汁とスライス、氷の他、みじん切りの玉ねぎ、シアントロー(コリアンダー/香菜)、ウスターソース、オイスターソース、マギー、タバスコが入っている。驚くべき内容だが、飲んでみるとスパイシーな冷製スープのような感覚。意外と飲みやすい。味はレッドアイやブラッディメアリーに近いかも知れない。
「メキシコでは、“飲むタコス”と呼ばれているんです。メキシコの中でも特に暑い地域でよく飲まれているスタイル。暑いので香辛料が効くんですね。二日酔いにも効くと言われていて、二日酔いでダウンした人を目覚めさせるという意味でしょうか、“死者の飲み物”とも呼ばれるそうです。」と店長の佐々木氏が教えてくれた。
こちらは、先ほどより少しコクのあるビール、テカテで割った。
マギーソースも入れる。料理のようだ。
ちなみに、メキシコのビールは日本に比べるとライトだが、佐々木氏いわく、日本のビールに近いテイストの物が多いという。しかも、メキシコ人は濃いめのビールが好きで、現地では高価だが日本のビールを好んで飲む人も少なくないらしい。
左から、コロナ、テカテ、ソル。好みや気分で選べるのも楽しい。
ライム味の唐辛子香辛料「タヒン」をかけたキュウリと共に。
他にも、数年前からメキシコでは缶ビールの縁に塩をつけ、ライムを搾って缶上部の溝の部分に入れて飲むスタイルが流行っているという。手軽にミチェラーダ風が楽しめるというわけだ。さすがビール大国である。
節電の影響もあり、例年にも増して暑い夏が予想される今年。ビールも爽やかなニュースタイルが流行りそうだ。暑いからこそ、香辛料を使ったビールドリンクもいいかもしれない。
■店舗情報
「ドンブランコ」
東京都港区新橋3-18-7桃山ビル3F
電話:03-5401-2066
営業時間:月~土17:30~23:30(LO22:30)
http://www.donblanco.com/index.html