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道とん堀が直営、500円豚骨ラーメン。
「初代 哲麺」
(東京都・昭島市)

第293回 2009年11月24日

醤油ラーメン500円。
「哲麺」は現在関東エリアに全7店舗を構えるラーメン店。運営する株式会社道とん堀(本社・東京都福生市)の本部がある西東京地区での出店が今のところ多い。直営で東京都昭島市に初代「昭島店」。その他、のれん分けしたお店として都内に「八王子店」「羽村店」「あきる野店」の3店舗と神奈川県に「平塚金目」「こどもの国店」「大和市」の3店舗がある。

 今回伺ったのは、その初代となる昭島店。低投資での開店を実現させるため凝ったインテリアはないが清潔感があり落ち着ける。この空間作りは哲麺全店に共通。更に20坪以下20席前後という基本の店舗設計でこぢんまりとしている。券売機や厨房設計に工夫することで1〜2名のスタッフでも営業可能とするモデルだ。


昭島店。

 ラーメンの決め手は勿論麺とスープ。同店は香ばしいマー油が効いたあっさり豚骨スープに、極細ストレート麺を泳がせたスタイル。「泳がせた」という表現がぴったりでスープがからまりするっと食べることができる。量についてはかなり議論を重ねたという。議論の末に決まったグラム数は結果的に居酒屋帰りの〆としても、又女性でも食べ易い量でお客様に受け入れられた。足りない人は50円で替え玉を気軽に足すことができるという。実にお客様の6割が替え玉を注文するという。


替え玉50円。

 麺は独自製法で低加水麺を開発。固さを好みによって「やわらかめ、ちょいやわ、ふつう、ちょいかた、かため、ばりかた、はりがね、こなおとし」の8通りから選べる。その茹で上げ時間は2秒から90秒という驚きの早さ。

 スープは新鮮な豚骨と鶏ガラをじっくりと常圧で長時間炊きパイタンに仕上げている。化学調味料無添加で純粋に骨から炊き出したうまみのあるスープ。鶏がらスープを加えたことは万人受けするまろやかさを追及した結果。このスープをベースに醤油味と塩味の2種類を用意している。トッピングは味玉子やきくらげなど、100円から味玉子やきくらげなど各種追加することができる。

 お好み焼き店「道とん堀」を全国展開する同社、新業態を模索する中、ラーメン事業に2004年から挑戦しはじめた。最初は「三九食堂」として八王子市にラーメン店を出店、毎日250食を越える繁盛店として成功。それを軸に完成した新業態が「哲麺」。

 店舗展開においては「のれん分け」という形で加盟金のみでロイヤリティなしという独立支援制度をとっている。通常のフランチャイズ形態よりも初期投資が少なく個人オーナーを応援するスタイル。ラーメン以外のサブメニューもそれぞれのオーナー主体で独創性を発揮することが可能。看板の店名は、トレーニングを終えのれん分けが決まると自ら直筆で店名をしたためる。「哲麺が広がりをみせていった先でもチェーン店でありながら極めて個人店に近い形で展開したい」という考えが同社のベースにありそのポリシーは主力業態である290店舗を超えるお好み焼「道とん堀」でも同じだ。店舗数が増えた今も「素朴なお好み焼き屋」というブランドイメージは守り続けられている。


昭島店と羽村店のランチタイムに提供されるハヤシライス。ライスを注文すると、鍋のハヤシソースを自分でかけて食べられる。


かわいいハヤシライスのPOP。


店内。

 11月から新メニューとして登場したのは「カレーラーメン(500円)」。店内に入った際はカレーの匂いは全く感じず、他のメニューを邪魔しないようよく考えられたオペレーションになっている。「カレーもスパイスが効きすぎたものや香りが強すぎるものは駄目なのです、親しみ易い昔懐かしい味わいを研究しました」と店長の中西哲之氏。日本人の大好きなラーメンとカレーをあわせたやみつきになる逸品。


カレーラーメン 500円。


かわいいカレーラーメンPOP。

 のれん分けで店舗数を増やす「哲麺」。今後ビルインや都心部への出店も意欲的に取り組まれるようでその展開に注目していきたい。


中西店長。

【初代 哲麺 昭島店】
住所 東京都昭島市松原町2−6−5
電話番号 042-541-7308
営業時間 11:00〜23:00
定休日 無休
客席数 17席
客単価 680円
目標月商 非公開
開店日 2008年3月17日
経営母体 株式会社 道とん堀
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
国井 直子(くにい なおこ)     2009年11月6日取材

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