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フードリンクレポート


ニッチで3年以内にトップに立てる業態を熟考。
〜ニッチなメイド喫茶市場でトップブランドになり世界に名乗りを上げる〜(4−2)
鈴木雄一郎氏 株式会社ネオディライトインターナショナル 代表取締役社長

2010.10.21
今、秋葉原のメイド・コスプレ系で最も元気な店が「めいどりーみん」。「ドンペリ」が売れると噂の店だ。メイドたちの屈託ない笑顔とアニメ的な演出の向こう側には、鈴木雄一郎社長の世界を視野に入れた天下取りの構想がある。4回シリーズ。レポートは長浜淳之介。


鈴木雄一郎氏。「中古車のガリバー」出身。

ニッチで3年以内にトップに立てる業態を熟考

 鈴木社長は1974年生まれの36歳。経歴をたどると「ふとんのマルハチ」丸八真綿で営業マンをした後、「中古車のガリバー」ガリバーインターナショナルに入社。

 在籍していた10年のうちに店長、スーパーバイザー、部長と順調に昇進。IPOを経験し、東証1部上場にまで一気に駆け上って行く過程と共にあった。

 そしてキャピタルゲインを得たのが、起業の後ろ盾となった。

「小さな中古車屋であったガリバーがこんなにも急成長できたのは、ニッチな市場でナンバーワンのシェアを取れたからです。メイドはアキバの文化として海外でもジャパンクールと呼ばれるほど人気が高い。独立した時に、この業態ならと思ったのです」と鈴木氏は、3年以内にニッチ市場でトップに立てるビジネスを熟慮した結果、メイド喫茶にたどり着いたと強調する。

 ガリバーはベンチャー・リンクと提携しFCで急速に店舗を増やして上場したわけだが、レインズインターナショナル(現レックス・ホールディングス)がやはりベンチャー・リンクと提携して急成長を遂げたのを見て、飲食業で回転率を高めると非常に魅力あるビジネスになると感じていた。そこもヒントになった。

 もちろん、ただニッチなだけでは成長性はない。今でこそ中古車の買取は当たり前になったが、つい十数年前まではエンドユーザーが中古車屋から車を買うことはあっても、マイカーを売りに行く場所ではなかった。買い取り査定が不明瞭でエンドユーザーが騙されたような気分になっていたのに対して、ガリバーは車種、走行距離、傷の状態などによる明確な基準を示した。

 中古車屋はいかがわしいといった一般社会のイメージをガリバーは変えた。

 ひるがえってメイド喫茶の一般的な印象はどうだろうか。テレビではしばしば目にするが、オタクの行くどこかいかがわしい場所といったマイナスイメージを拭い去れないまま今日に至っている。
★続く。
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【取材・執筆】 長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2010年9月17日取材

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