フードリンクレポート


ブレイクするのは「ラー油鍋」?
〜「鍋はおうちで食べるもの」?!シーズン到来、この冬「外食」でこそ食べたい鍋は〜(5−1)

2010.10.31
鍋の美味しい季節が到来、各店ではオリジナル鍋が続々と登場し始めている。ぐるなびのアンケート調査ではこの冬最も食べたい鍋は「ラー油鍋」だという。過去にも「トマト鍋」「カレー鍋」「タジン鍋」などが話題をさらった年もあった。今年はどんな鍋を「誰と」食べたいか。おうちで食べる鍋とは一線を画す「外食」でこそ食べたい鍋をリサーチ取材した。5回シリーズ。レポートは国井直子。


「七福ろう」のラー油鍋

ブレイクするのは「ラー油鍋」?

 食べるラー油の人気で、この冬は「ラー油鍋を食べたい」との声が圧倒的に多いという。御徒町の「七福ろう」(経営:株式会社オペレーションファクトリー)では、一足先に「ラー油鍋」を開発し導入、人気を集めている。「自家製ラー油」は今春に開発、10回以上の試食を繰り返し1ヶ月で完成させた。それを使ったアラカルトメニューは4月後半から導入、お客様からは「ラー油が美味しい」と好評だった為「冬には『ラー油鍋』を作ろう」と早い段階から開発にはいっている。9月後半にはメニューに載せ既に約一ヵ月半の提供を行っている。


「七福ろう」のラー油鍋(一人前・1550円)


「七福ろう」のラー油鍋(ラー油投入)

 キーとなる「自家製ラー油」の開発で一番苦労した点は「桃屋さんが出している『食べるラー油』を手に入れるのに苦労しました」と料理長の八木健一氏。自店のオリジナルには厳選の唐辛子3種と油を2種ブレンド、揚げたガーリックやオニオンを混ぜ込んだ。辛味をおさえ旨味だけを抽出した点がこだわりだ。


「七福ろう」 八木健一料理長

 鍋のベースとなるスープは、牛骨スープとかつお出汁のブレンドでやさしい味。卓上にだされた鍋がぐつぐつと煮立ってきたところにラー油を自身で投入するのが七福ろうスタイル。ラー油は充分な量が提供され、少しずつ入れて残しても「食べるラー油」としてつまみになる。お店のオススメは全量投入、それがヤミツキの味を作る。辛味の中に甘さが感じられ、その甘さが後をひく仕上がりだ。


「七福ろう」 店内。

■「九州・沖縄料理 七福ろう」
東京都台東区上野5-20-3
電話:03-5817-3899


【取材・執筆】 国井 直子(くにい なおこ) 2010年10月29日執筆