フードリンクレポート
コリアタウン・新大久保発祥の地マッコリ。
〜「となりの酒は甘い?」クロスボーダー化する国境なきマッコリ事情〜(3−3)
2010.2.18
世界的な和食ブームで着実に輸出量を伸ばしている日本酒。財務省の貿易統計によると2001年の約7000klが、2008年には約1.7倍の1万2151klに増加。アメリカ・欧州はもとより韓国では10年前の約50倍に相当する1529klが輸出。しかし、国内消費量の低迷が続いており、1975年の167万5000klをピークに、2007年には66万4000klと大きく落ち込んでいる。そんな中で、日本で着実に売り上げを伸ばしているのが韓国から輸入されているマッコリ。マッコリとは、日本でいうと「どぶろく」にあたる韓国の醸造酒。原料は米や小麦が多く、酵母によるアルコール発酵に、乳酸菌発酵を伴う。アルコール度数は5〜9度と飲みやすく、口当たりのよい酒として知られている。韓国国税庁の統計データによると、2008年のマッコリ(米や小麦を原料とする韓国のにごり酒)輸出量は年間5457klで、そのうち9割近くが日本への輸出だったという。日本では2004年頃から韓国のテレビドラマをきっかけにした「韓流ブーム」が起こり、その影響で韓国料理店が急増。不況の中でも客足の途絶えない、新宿・新大久保のコリアタウンを取材した。3回シリーズの第3回目。
「韓さん 生マッコリ」(1リットル 1500円)。
・コリアタウン・新大久保発祥の地マッコリ
2008年7月にオープンした「生マッコリ家」。不景気をものともせずオープン当初からうなぎのぼりの収益をあげている。45席の店内は終日満席。特に女性のリピート率は9割以上という。その秘密は同店が販売するマッコリにあった。
「生マッコリ家」外観。
<続く>