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フードリンクレポート


「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」100店舗達成記念!
“エムグラント 4人衆”の親分
井戸実氏
株式会社エムグラントフードサービス 代表取締役

2010.10.29
“ロードサイドのハイエナ”の愛称で外食業界だけでなくマスコミでも大反響の株式会社エムグラントフードサービス代表取締役 井戸実氏。「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」の1号店は2006年7月。そして、わずか4年間で、今年10年8月に100店舗目を京都・伏見にオープンさせた。その成功には5人の幹部の存在が欠かせない。その“エムグラント4人衆”を1人ずつインタビュー。加えて、親分の井戸実氏も取材。成功の秘訣を探る。5回シリーズ。レポートは安田正明。


井戸実氏。一見ドライだが、情を重んじる。

ダイヤモンドダイニング松村社長がメンター

 井戸氏は、今年8/21に「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」京都伏見店をわざわざ直営でオープンさせた。これが記念すべき「けん」100号店。わずか4年で100店まで登り詰めた。「ふらんす亭」「とんかつ&サラダバー よしかつ」なども加えると、合計では200店舗を超えている。

「お祭り気分で家族と京都に前日入って、次の日に店で鏡割り。そこまでは何ともなかったんですが、店で食事をした時に感極まりました。南柏の1号店のことを思い出しました。あれから100号店か、ウルッとしました。京都で直営を出すつもりはなかったですが、100号店なら行け!です」と井戸氏。

「今は頻繁にメディアに掲載していただき、そんなステージになったんだなと嬉しい限りです。最初にネットのフードリンクニュースで取材され、紙の業界誌、新聞、テレビというプロセスがあったから長く取り上げられ続けているんだと思います。2〜3店でテレビに出ても続かないです。底が浅いんです。松村社長(ダイヤモンドダイニング)をベンチマークして、きちんとプロセスを踏みました。」

 ダイヤモンドダイニング松村氏が井戸氏のメンターだ。

「松村社長を意識したのは、上場記念パーティーに招待された時です。その後、初めて食事に行って、僕の存在を覚えてもらいました。そこから機会があるごとに相談しています。松村社長はブログを始めるのが早かった。僕も真似て始めました。今や僕の方が全然アクセス数が多いです(笑)。」

「松村社長は自分が先頭というより、もちろん先頭にいるんだけど、そのステージに下を一緒に連れて行ってくれる。普通、そういう親分は、オラー!行くぞ! 松村社長はそうじゃなく、持ち上げてくれる。そこが好き。僕も後輩を引き上げたい。東京の外食市場をそういうふうに作っていきたい。今までは足の引っ張り合いは止めましょう。」


通帳残高10万円未満、乗り越えた

「今期(2011年3月)の売上高見込みは170億円。FC売上もエムグラントで計上して、ロイヤルティを差し引いてオーナーさんに戻しています。僕は利益率ではなく、売上規模を語りたい。売上のボリュームを大きくした方が安く仕入れられます。売上50億円で利益10億円より、売上200億円で利益10億円なら、業者は売上200億円を見ます。」

「一番苦しかったのは、2007年12月。『けん』が15店目。資金がなく、さらに内装業者にも騙され3千万円持ち逃げされた。通帳残高が10万円切った。経理の女性から、私の口座の方がお金あります、と言われました。銀行から借りられなくて、調達に苦労しました。誰にも相談せず、目いっぱい虚勢を張っていました。全然厳しいのに。今だから言えます。1人で悩んでいました。事務所に残って仕事なんかしてたら、鬱になっちゃうので、毎晩飲んでました。現実逃避です。順風満帆のように世間では言われてますけど、2007年から08年の始めまで地獄でした。」

「2008年始めにオープンした『けん』松戸店からテイクオフしました。夕刊フジに書いてもらって、その直後にテレビが来た。そこから一気にテレビからどんどん声がかかる。物件も集まった。同時にFC募集していたので、こちらも一気に売れました。運がよかった。」

 立ち上げ時、店舗流通ネットやプラスゲートといった店舗リース会社を使っていたが、会社設立から5年が経った昨年には、6店舗で利用していた店舗流通ネットへの返済は終了し、残るプラスゲートへの返済も来年には終わるという。財務体質はますます強固になってきた。


原価率50%、店で味が違っていい

★続く。
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【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2010年10月19日取材

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