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老舗を飲み込む大手の波。路地にこだわりのある専門店が生き残る。
〜【シリーズ:あの街は今どうなっている?】サラリーマンの聖地、新橋の“今”〜(3−3)

2010.11.10
飲食店はその街にいる人々によって作られ、街の変化と共に姿を変えていく。一つの街で誕生した食のトレンドが全国に広まることもある。どこで誰が何を食べているのか?飲食店をエリアごとに切り取り、徹底レポート。その街と飲食店の“今”が見えてくる!今回、取り上げるのは、新橋。サラリーマンの聖地としてお馴染みの新橋は、多様な業態がひしめき合う飲食店密集エリア。このエリアを探れば、サラリーマン層の新たなトレンドが見えてくるはず。第1回目は、新橋の中心部ともいえる、ニュー新橋ビルとその周辺エリア。サラリーマンの聖地のど真ん中に飛び込んだ。3回シリーズ。レポートは村田麻未。


路地に入って、さらにディープな新橋へ!

老舗を飲み込む大手の波。路地にこだわりのある専門店が生き残る

 SL広場から道を挟んで西側に広がるエリアは、大衆居酒屋が並ぶ通りとその裏には、烏森神社を中心に細り路地がいくつも交差し、数十年続く老舗の焼き鳥屋や居酒屋が並ぶ通り、その昔新橋芸者の置屋だった面影を残す通りがある。

【地図】

今回は、昔の面影を残す紫線内のエリアに注目。


かつては置屋や料亭があった、しっとりと落ち着いた路地。

 まずは、大手居酒屋チェーンも出店する目抜き通りから。歩き始めてすぐ目に留まったのは居酒屋「しゃかりき」。メニュー看板がいくつも店頭に置かれていて、何が売りなのかはよく分からないが、賑やかな雰囲気が居酒屋としてはわかりやすい。入ろうとすると、満席だった。客席120席を超える大型店舗にもかかわらず、水曜19時前で満席とは、繁盛ぶりが伺える。水曜以降、木曜、金曜は予約がないと入れない場合が多いとのことだ。


「しゃかりき」外観。

 店の裏側に回ってみると、何かの仕込みを行っている光景に遭遇。なんと、自家製のからすみの仕込みだった。国産のボラの卵巣を生で仕入れ、何度も血抜きの作業を繰り返して作るという。12月頭くらいからメニューに加わるとのこと。手間かけた仕込みを行っているのが人気の秘密なのかもしれない。


「しゃかりき」の裏口で行われていた、からすみの仕込み。

 目抜き通りを進んで、右側の細い路地に入ると、店頭で立ち飲みできる居酒屋がある。ここで30年近く店を営む、ホルモン焼きの「野焼」。ホルモンを中心に炭火の串焼きや七輪焼きが楽しめる。訪れたのは21時過ぎで、店内に3組、店頭で1組のサラリーマンが立ち飲みをしていた。
★続く。
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【取材・執筆】 村田 麻未(むらた あさみ)  2010年10月22日執筆

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