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先行き不透明な「アウト」キーワード 4つ。
〜外食キーワード<2010年7〜9月期> 発表〜(3−3)

2010.11.17
フードリンクは独自に外食市場を分析し、次々に新しいムーブメントを提案する「外食キーワード」を4半期毎に発表します。「外食キーワード」とは、世の中全般の動きと、外食市場の動きを見比べ、新たな外食ムーブメントを発掘すること。それらを取り入れる店舗が繁盛店となって、世の中に話題を提供して欲しいとの期待を込めて、今年7〜9月の外食キーワードを発表します。この3ヶ月間に生まれた「ニュー」と、前回発表し3ヶ月後も続く「キープ」キーワード、前回発表したが先行き不透明や制約のある「アウト」、が登場。3回シリーズ。レポートは安田正明。


iPadに頼ることは、お客とのコミュニケーション機会を断つことになりかねない。

先行き不透明な「アウト」キーワード 4つ

 前回発表したが先行き不透明なキーワード。今、そのトレンドがあるが、3ヶ月後には無くなるかもしれないもの。

1) iPad

 2010年4〜6月期の「ニュー」キーワード。

 日本で5月に発売され、国民的話題となった。外食でも当初、今まで来てくれないような客層も集客できると期待された。メニュー替わりに使ったリ、雑誌などのように無償サービスとして提供するケースが出てきた。しかし、メニュー替わりとしては、現状は紙製でも十分に対応できる程度の内容であり、iPadならではのお客を驚かせるクリエイティブが生まれていない。iPadよりもiPhoneなどスマートフォンの普及が進んでおり、重量面からも使い勝手が良く、お客は店内で自分のiPhoneをいじることで満足しているようだ。

 一部ワインメニュー用に使う動きもあるが、ワインの選択は店側とお客とのコミュニケーション機会にもかかわらず、iPadに頼ることはそれを断つことに繋がる。長引く不況の中、リピーターを増やして売上を確保すべき。その為にもアナログのコミュニケーションを重視すべき。

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2) ノー残業デー

 2010年4〜6月期の「ニュー」キーワード。

 労働時間の短縮や経費の削減の一環として“ノー残業デー”を導入する企業が増えている。早々と帰宅したり、趣味に時間を使うなど、外食に立ちよらない消費者がじわじわ増える可能性がある。しかし現在のところ、早い時間から飲みに来てくれる、下がったなど店は一部で、変わらない、影響を感じないという反応が大半。

 景気低迷は未だ続きそうだが、ノー残業デーの有効活用についてのマスメディア掲載も今のところほとんどないので、消費者が大挙して同じ行動を取るということはなさそう。ノー残業デーは三々五々に過ごすこととなり、立地や業態によって影響はまだら模様という感じ。

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★続く。
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【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき)  2010年10月29日執筆

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