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常連になるのって難しい?客との距離感について。
〜だから東京の店は客を逃がす!?関西に見る、人を惹きつける接客の極意〜(3−2)

2011.1.13
 東京には、料理が美味しくてサービスも申し分ない、本当にいいお店がたくさんある。しかしその半面、接客について「マニュアル的な対応で心がない」、「何度行ってもよそよそしくて常連になりにくい」という声も。それに比べて関西では、ふとしたことで店のスタッフと話が弾んだり、二度目にはもう顔を覚えてくれるなど、どこか温かみがあって、また行きたいと思わせてくれる対応の店が数多くある。もちろん、東京でも店によって違うが、調べてみると興味深い地域差が見えてきた。心地いい関西のサービスは、東京とは何が違うのだろうか?3回シリーズ。レポートは伊藤由佳。


関西では、店に2回行けばもう顔なじみ。東京は、何度行っても顔見知りになれない!?

常連になるのって難しい?客との距離感について

 東京在住または在住経験のある関西人に「東京と関西の店のどこに違いを感じるか」と質問したところ、多くの人から挙がった意見が「店員と会話しにくく、常連になりにくい」ということだった。

「東京は声かけが少ない。接客で発する言葉は失礼のない最小限という感じがする(30代・大阪出身)」、「ソツがなく、話しかけるスキもない。接客がスマートすぎる(50代・京都出身)」、「店員と話せないとアウェーな感じがして、通う気になれない(20代・大阪出身)」などだ。

 そう言えば、私にもこんな経験がある。その店のサラダがとても美味しかったので、店員に「このサラダ、美味しいですね」と話しかけてみた。すると店員は「ありがとうございます」と言ってスッと皿を下げ、厨房へ戻ってしまった。もちろん、接客には何一つ問題はない。しかし、そこから多分手作りであろうドレッシングについての話を期待していた私としては、ちょっと拍子抜けしてしまった。

 実は関西では店員と話すのはごく自然なことで、初めて行った店で話が弾むことも多々ある。そうやって常連になり、行きつけの店が増えていくのだ。

 では、何回行けば店員と話せるのだろうか。関西の店については、ほとんどの人から「1、2回。多くても3回行けば十分」という答えが返ってきた。一方、東京では「知っていてもあえて声をかけないので、何度言っても顔見知りにはなれない(20代・神奈川出身)」、「最初から仲良くなるなんてムリ。どこまで話していいか、お互いに距離を探りながら話を深めていく感じ。それを繰り返して常連になるんだと思う(30代・東京出身)」。もちろん、東京にもすごく気さくですぐにうち解けられる店もある。しかし、関西に比べると客と店員の間にどこか距離を感じてしまうのも事実なのだ。

 逆に、お店はどう思っているのだろうか。何回くらい通えば常連と言えるのか?と質問をしてみた。
★続く。
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【取材・執筆】 伊藤 由佳(いとう ゆか)  2011年1月9日執筆

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