・“仙台ホルモン”とは?
「ときわ亭」のウリは“仙台ホルモン”の塩ホルモンと味噌ホルモン。共に1人前380円。食べ飽きないあっさりした味が人気となり、地元だけでなく観光客をも魅了している。“仙台ホルモン”の名付け親が加藤氏だ。
加藤栄一氏。
終戦後の食糧難時代、仙台では焼鳥屋と豚ホルモンをガスで焼く店、通称「とんちゃん屋」が多くあり、価格の安い庶民の味として人気があった。仙台で有名な牛タンも当時、豚タンが庶民の人気メニューだった。その後、希少で高級な牛タンを炭火で焼く店が現れ、仙台の牛タンが有名となったという。
“仙台ホルモン”は当時をルーツに、豚ホルモンの中でも食べやすく、クセのない大腸、小腸、ガツだけを使用した新しいスタイルのホルモン焼。仙台味噌を使った特製タレに付け込んだホルモンを、仙台醤油で食べる独自のスタイル。
宮城県、山形県、岩手県産の新鮮な豚ホルモンを即日加工し、創業72年の老舗味噌屋の専用タレに付け込み零温熟成。焼いてもやわらかくモチモチ感のある噛みごたえが特徴。
仙台味噌を使った特製タレに付け込んだホルモンを、仙台醤油で食べる独自のスタイル。
加藤氏は1965年生まれ、仙台で育つ。食品会社に勤め、バイヤーとして活躍していた。そこが焼肉店のFCを展開していたので、加藤氏は新たにホルモン焼店の展開を会社に提案。そして出店を始めることになる。
「店の並びに牛タンで有名な太助さんがあって、そこが連日長蛇の列だったんです。店頭をよく見ると、仙台牛タンと書いてありました。コレだと思って、仙台ホルモンという名前を思いつきました」と加藤氏。そして、上記のような“仙台ホルモン”の定義を生み出した。
その後、独立して仙台ホルモン店を出店することとなり、2005年に1号店を仙台のホルモン発祥の地といわれる一番町に出店。オープンから大行列で、2号店も大盛況。
「遠方からもわざわざお客様がいらして、手ごたえがかなり凄かった。それで、フランチャイズに出来るなと思いました」と加藤氏。そして2008年からFC展開を始めた。
現在は、直営5店、FC14店の計19店。仙台市内のホルモン店は一時増えたが、今は淘汰され約40店。「ときわ亭」がその半分を占めている。今年3月には東京でFC店を初出店する。場所は中目黒駅近く、川沿いの15坪の店。