「森的」志向を取り込んで飛躍した瓦カフェ、ラ・メゾン。
〜第2次カフェブームを牽引する「森ガール」的食スタイル〜(6−5)
「kawara CAFE&DINING」銀座店 エントランス。
・「森的」志向を取り込んで飛躍した瓦カフェ、ラ・メゾン
高円寺、西荻窪、下北沢、代官山・中目黒といった路地が多く、徒歩や自転車で移動する郊外に、「森ガール」が好む街が点在し、雑貨、洋服などの店とともにカフェが急増していることを見てきた。第2次カフェブームが到来したのだ。
しかし、「森ガール」や「森的」雰囲気にシンパシーを持つ都心部で働くOLは、休日はそういった街に繰り出すとしても、平日はどうしているのか、気になるところである。 森っぽい服は着ていなくても、やはりカフェを志向する食スタイルは変えられないのではないだろうか。ところが渋谷はともかく新宿、ましてや銀座、池袋、新橋ともなると目に付く場所にカフェそのものがほとんどない。
セルフ式のチェーンやビジネス用途の喫茶店ならあるが、まったりと一息つきながら食事も楽しめるような雰囲気ではないのだ。
よって、都心部にカフェ難民が相当数発生することになるのである。銀座や池袋には「森ガール」系のショップもあるのだが、買物客が休んでいきたい場所も少ない。
そういったカフェ難民のオアシスとなっていると目される店の1つが、都心部に店舗網を広げる、エスエルディーが経営する「kawara CAFE&DINING」である。
1号店は2005年9月、渋谷にオープン。和のテイストの「kawara CAFE&DINING」に対して、洋のテイストの「HiKaRi CAFE&DINING」も09年より展開。現在、「瓦」が渋谷、新宿、銀座、池袋、恵比寿、中目黒、新橋、横浜に10店。「光」が渋谷、新宿、銀座に3店ある。
そのほかにも、もつ鍋&ダイニング「かわらや」、もち豚とお豆富のダイニング「かわら坐」などといったブランドの店舗を持ち、12月16日にオープンする新宿アルタ裏の和食とハワイアンのフュージョン創作料理「holehole CAFE&DININER」で飲食の直営店は26店になる。
出店を加速させており、今期4月以降12月までで8店が新たに誕生した。今期の出店予定は10店で、次年度も10〜12店のコンスタントなオープンを考えている。
数あるエスエルディーの店舗の中でも好調さが目立つ、「kawara CAFE&DINING」銀座店を訪問した。席数は88席ある。
「銀座インズ」1の2階にあるが、周囲は飲みの業態、アジア系の料理店が多く、この店だけが異質に見える。ざっと見渡したところ、女性が1人、2人で食事できそうな店、この商業施設で洋服を買った人が休む店が他にない。繁盛する理由がわかる気がする。
顧客層を聞いてみると、「20代後半から40代後半のOL、サラリーマン。7割は女性で土日は買物客が多いです。ランチは近所のブティックに勤めている人や買物客もいらっしゃいます」(松島由季統括店長)とのこと。
「ふらりとランチに一人で来る人が多い」そうだ。ランチは850円の丼ものからあり、瓦に載って提供される週替り和定食(麦ごはん、小鉢、漬物、サラダ、みそ汁付き 950円)や「濃厚BBQソースのロコモコ 温玉のせ」(1000円)に人気がある。定食はご飯お代わり自由、プラス150円でソフトドリンクが付けられる。
夜はコーヒーを飲みに来る人もいるが、照明がぐっと落ちてミラーボールが回る演出があるので少人数でお酒を飲みつつ食事をする人が多くなる。つまりダイニング用途である。女子会も多いが、デートや合コンの需要も多く、男性の来店もそこそこある。
瓦カフェ&ダイニング系列の店舗は壁画とミラーボールが印象的。
★続く。
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