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「森ガール」カフェ台頭は草食系飲食店が爆発する前兆か。
〜第2次カフェブームを牽引する「森ガール」的食スタイル〜(6−6)

2010.12.15
ここ2、3年ほどでカフェが復活している。そしてこの第2次カフェブームともいうべき現象を牽引しているのが、「森ガール」と呼ばれる文系女子だ。「森ガール」とは「森にいそうな格好をしている女子」というような意味で、ナチュラルで女の子らしい服装・髪型を好み、雑貨やカフェ巡りが大好きだ。そして、第2次カフェブームの作り手は2000年前後のカフェブームを顧客として体験し、カフェファンの目線で改善に努めている。「森ガール」の聖地とされる、高円寺、西荻窪、下北沢、代官山・中目黒を訪ねるとともに、このトレンドをとらえつつチェーン化を進める外食企業も取材した。6回シリーズ。レポートは長浜淳之介。


ダイヤモンドダイニングとのコラボ店、カフェ・ノイズのオープニングレセプションでDJプレイ中のエスエルディー・青野玄社長。

「森ガール」カフェ台頭は草食系飲食店が爆発する前兆か

 今日の第2次カフェブームは、2000年頃起こった第1次カフェブームとは違って、ブームを超えて定着に向かうのではないかと思う。

 第1次のような花火を打ち上げて終わるのではなくて今度は本物ではないかと予想する理由は、今のカフェには第1次の頃にカフェファンとしてカフェ巡りをしていた人たちが作り手になって、店の中枢にいるケースが多々あるからだ。

 今回取材した「ハティフナット」高円寺店の武田店長、「ミクスチャー」の中井代表、「チョコホリックカフェ」の池田店長、「kawara CAFE&DINING」の松島統括店長は、事前に経歴を調べていたのでは全くないが、いずれも自らカフェマニアであったことが今の仕事に就く切っ掛けだったと語った。偶然の一致とはとても思えない。きっともっと多くの当時のカフェファンが、なぜカフェが一過性のブームで終わったのか、反省を踏まえてカフェを経営する側に立っているに違いないのだ。

 第1次の頃からあった「クワランカ・カフェ」にしても渋谷の店を取り壊しのためとはいえ一旦閉めて、西荻窪でよりパワーアップした形で再オープンしている。当時と同じことをしているわけではないのだ。

 しかも、中井代表はパン製造の技術、池田店長は菓子製造の技術、松島統括店長は栄養士の資格を持ってカフェの世界に入ってきている。食の専門知識の高さからして、第1次の頃の勢いで始めて他店の真似してスタイリッシュな空間を作り、見栄えだけ良いワンプレートのカフェ飯を出していた薄っぺらな連中とは中身が全然違うのである。
★続く。
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【取材・執筆】 長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ)  2010年12月5日執筆

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