・「シャル・ウィ・スイーツ!」「アブー・ジュースバー」 ユニークな業態ネーミング
洋食業態の「ヨシミ」に続いて、スープカレー、カリーとオムライスと、業態展開を行ってきた勝山氏が昨年手掛けたのは、これまでとはさらに異なる業態、スイーツである。昨年11月、札幌パルコに「Shall we SWEETS!」をオープンさせた。
「経緯としては、札幌パルコで60坪ほどの店が閉店することになり、次に入る店舗を探しているという相談を受けました。たまたま以前から、新宿ルミネに入っているデザートブッフェに注目していました。あんな業態ができたらいいなと思っていたんです。そこで、スイーツブッフェの業態に挑戦することにしたのです。」
手作りにこだわり、美味しいものをその場で提供したいという思いから、店では8人ものパティシエが腕を振るう。20種類以上のスイーツに加え、パスタや焼き立てのピザも。クレープやワッフルはお客様の目の前で焼いて提供する。人件費もかかるので、他の業態に比べると利益率は低いというが、行列のできる人気店として札幌では有名である。
ケーキやワッフル、パスタやピザなど幅広いメニュー構成。
「Shall we SWEETS!」外観。
今年に入ってからも、新業態のオープンは続く。ジュースバー業態「ABUU JUICE BAR(アブー ジュースバー)」だ。今年3月に第1号店を福岡パルコにオープンさせた。「体に新鮮」をコンセプトにしたこのジュースバーでは、ヨーグルトフレーバーのアイスクリームに、たっぷりのフルーツとシリアルも加えて仕上げるスムージースタイルのジュースを提供。このファッショナブル感とヘルシーさが女性にうけている。カラフルでインパクトのあるロゴやメニュー写真を配したショップも、若い女性にうけそうだ。この業態も、以前から勝山氏が注目していたものだった。
「ABUU JUICE BAR(アブー ジュースバー)」外観。
ヨーグルトフレーバーのアイスとフルーツを使った「アブー ジュースバー」のジュース。
「シンガポールのチャンギ空港を利用した時、とても混んでいる店舗があったんです。それがジュースバーでした。オーストラリアでもジュースバーが人気だという話を聞いていましたから、これだと思いました。」その場でその店舗のことをメモしたという。
ちなみに、見聞きしたこと、浮かんだメニューイメージや店舗デザインをその場で書き留める同氏は、常にデザイン帳と呼ぶ手帳を2冊持ち歩いている。その出会いがベースとなって生まれたのが、「ABUU JUICE BAR(アブー ジュースバー)」なのだ。店名のネーミングも自らのアイデア。こうして、新しい業態やメニューが次々と生まれている。これが、この1年で5店舗の開店という躍進の裏側である。