・スカイツリー近辺が活性化、B級グルメさらに浸透
2011年の年末には東京スカイツリーが完成する。今も押上、曳舟界隈は休日ともなれば東京スカイツリーを撮影しようというアマチュアカメラマンであふれている。再開発も進んでおり、注目エリアになることは必至だ。
周辺の向島、浅草を含め、次に流行るエリアとして挙げておきたい。
また、重要文化財の「日本橋」が架橋100年を迎える。日本橋地区では2010年10月には「コレド室町」、「ユイト」といった複合施設もオープンしたが、ますます充実する東京駅の駅ナカ、八重洲の商業施設などとともに、路面も面白くなるのではないだろうか。
「森ガール」(森に居そうな服装の女子)など若者が好むナチュラル系のカフェが増えている、高円寺、西荻窪など中央線沿線、下北沢、松陰神社前など世田谷エリア、代官山、中目黒など東横線沿線はさらに勢いを増して、周囲にカフェは拡散。エスエルディーのように銀座に多店舗展開する企業も現れていることからも、第2次カフェブームが本格化するだろう。
高円寺の森ガールカフェ、「ハティフナット」。
京都、大阪、神戸、名古屋、広島、福岡などにもセンスのいいカフェが増えている模様で、今度はカフェという業態が定着していくのではないだろうか。京都は町家、大阪はリバーサイドに注目したい。
渋谷はファーストフードやおしゃれな店のメッカというより、道玄坂を中心にラーメンやうどん、丼ものの店が急増して装いを一新している。そうした中から、がっつり系のスパゲティーナポリタン専門店の「パンチョ」のような野心的な店も登場している。
ナポリタン専門店「パンチョ」。
新宿、池袋、渋谷、神田など東京の歓楽街では、セクシーな衣装に身を包んだ女の子が接客するガールズ居酒屋が増え続けている。元祖の「はなこ」にあやかってか、「さくらプロジェクト」、「あんず」など花の名前が付くことが多い。2010年は洋業態の「ハナコナ」に加え、アメリカから「フーターズ」も上陸した。
「さくらプロジェクト」。
日本に上陸した「フーターズ」。
居酒屋とガールズバーに行くのを1ヶ所で済ませたい、サラリーマンの節約志向がヒットの底流にあり、東京都心部では飽和感が出てきたものの、他の大都市ではこれからではないだろうか。東京都心部に限っては洋業態が増える気がする。
郊外に目を向けると、山歩きが好きなアウトドア志向の「山ガール」が増えたため、大都市近郊をはじめ著名な山の山麓、山中の飲食店に女性たちが行くようになり繁盛してきている。東京近郊なら高尾山、富士山、丹沢大山、養老渓谷、関西なら六甲山、生駒山、高野山、比叡山など面白い。
ロードサイドで注目されるのは、最近充実が目覚しいその土地の素材を使った高速道路グルメ。2010年も足柄SAなどが整備されたが、さらに拍車が掛かるだろう。
また、回転寿司の「はま寿司」、つけ麺の「六厘舎」がドライブスルーを始めている。この流れからいろんなロードサイド店がドライブスルー、さらには宅配にもチャレンジしてくるのではないかと思う。
ファミレスにもエムグラントフードサービス「ステーキ&サラダバー けん」のようなヒット業態が生まれ、2010年にはモンテローザ「ステーキ&サラダバー テル」などベンチマークしたと思しき競合店が現れた。これまで居酒屋を中心に展開してきたモンテローザにとっては、お酒を飲ませず食事のみで勝負する店は新しいチャレンジで、これからどのように展開するのか見守りたい。
すっかり日本の名物行事となった「B-1グランプリ」だが、2011年は関西圏で初めて兵庫県姫路市で開かれる。2010年の首都圏初開催の神奈川県厚木市に続いて、過去最高かそれに近い集客が見込める。姫路市からは生姜醤油で食べる「姫路おでん」、地元では「関東煮」と呼ばれているB級ご当地グルメが出展されるが、既に全国区になっている「静岡おでん」に続くか、ブレイクが期待される。
姫路おでん。
B級グルメの祭典は「丼サミット」、「ラーメン博覧会」、「やきとリンピック」など多種多様な催しがあり、地域単位での「B-1グランプリ」やそれに類するものも多彩に開かれている。サンリオのキャラクラーを中心にしたテーマパーク「サンリオピューロランド」でも「日本B級グルメピューロランド杯」なるイベントを開催中だ。そうした中から新しいヒットが生まれる可能性も大である。
全国丼サミットおだわら2010。