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2009年12月26日
 均一価格居酒屋の人気の理由は自由な使い方。
 
 以前からフードもドリンクも全て均一価格の店はありました。今年の均一価格のブームを作った「鳥貴族」も、昔からあった均一価格商法を取り入れたものです。同店の1号店は1985年に誕生。料理もドリンクも250円均一の焼き鳥店でした。今は全て280円(税別)。

 お通しも出さず、明朗会計。「鳥貴族」の大倉忠司社長が20才の時に通っていた炉端焼きが230円均一であり、お客として均一価格が面白かったので自分の店でも取り入れたそうです。

 デフレの今年はその均一価格が注目を浴びました。モンテローザの268円均一(税別)「うちくる」、三光マーケの270円均一(税別)「金の蔵Jr」、さくら水産の250円均一(税別「にこにこ屋」など大手居酒屋チェーンも続々参入しています。ワタミもデフレに対応できず、11月の既存店売上高は13.5%もダウン。均一価格に参入する可能性があります。

 先日お会いした「わん」を展開するオーイズミフーズの大泉賢治社長は、290〜380円(税別)の個室居酒屋「はっぴ」を6店展開しており、「どこも調子が良くて、6店に増えました」と話していました。

 このブームはデフレの影響との見方もあります。最終料金が分かりやすいのでお客は懐具合を考えながら飲食できます。

 しかし、居酒屋のお通しへの不信感もあるのではないでしょうか。居酒屋は2〜3千円以上払うという感覚がありますが、こういった均一価格居酒屋では、1千円で帰ろうと思えば帰れます。「鳥貴族」では、麒麟淡麗大ジョッキと、フード2品で帰れば、840円(税別)。同じ店で懐具合に合わせて楽しめます。立ち呑みのような感覚です。

 カフェでも同じ動きがあります。最近のカフェは喫茶、食事、飲酒がどの時間帯にも自由に楽しめます。業態名は「カフェ&ダイニング」などと呼ばれています。ディナータイムでは、今日はお酒を飲まず食事だけにしよう、今日は良いことがあったのでシャンパンを飲もうなど、お客のニーズに合わせて場を提供できます。

 不況の中では、様々な店に行くより、自宅や馴染みの店に集中させたいという心理が働きます。その中で、お客の様々な気分に1軒の店で対応できる店は重宝されるでしょう。

 来年は、デフレ不況から脱却できるのでしょうか。できなくても生き残る方法はありそうです。外食市場は他業界とは全く異なり、中小企業で成り立っています。色んなアイデアが出や
 すい。しぶとく生きましょう。

 今年も1年お世話になりました。来年も、皆さんのお役に立てる情報をどんどん紹介していきます。来年もよろしくお願いします!

(安田 正明)
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