フードリンクレポート


スーパーの不味い激安弁当に外食が負けるわけがない。
〜2010年、飲食業界はサブプライム不況をどう乗り切ればよいのか!(7−1)〜

2010.1.4
2009年の外食業界にとって非常に厳しい1年であった。日本フードサービス協会の調べでは、特に11月の外食売上高は5.8%減と、過去最大の下落となった。12月の忘年会シーズンも例年より出足が鈍く、半ばになってやっと本番という状況であった。2010年も少なくとも前半はこの厳しさが続くだろう。外食に詳しいアナリスト、いちよし経済研究所・鮫島誠一郎主任研究員に状況分析していただくとともに、急成長中のエムグラントフードサービス・井戸実社長にも知恵を出していただき、百年に一度の大不況を乗り切る術を探る。


牛丼並を280円に値下げした、すき家。以前からスポット的に値下げフェアをして、顧客の反応をテストしていた。

スーパーの不味い激安弁当に外食が負けるわけがない

 日本の景気が沈んだままである一因は、不況で企業の売り上げが上がらないと、給料・ボーナスが減って、消費に使えない。なので、消費を促進するためにメーカー、小売は値下げをする。そうなると商品は売れても、企業の売り上げは伸びず、利益も上がらず、給料も上がらない。だから、また値下げをするという、デフレスパイラルに陥ったからだ。

 ついには、スーパーで200円を切る、190円の弁当までもが売られるようになってきた。

「さすがにそこまで値段を下げたら、食べてもおいしくないです。今は安いのでお客さんが飛びついていますが、そのうち売れなくなるでしょう」と語るのは、いちよし経済研究所企業調査部第一企業調査室長・主任研究員の鮫島誠一郎氏だ。


外食企業アナリストの鮫島誠一郎氏。

 鮫島氏はそこに、外食のチャンスがあると考えている。
<続く>

【取材・執筆】 長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2009年12月31日執筆

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