フードリンクレポート


観光を振興して中国人を呼び込めば人口減も関係ない。
〜2010年、飲食業界はサブプライム不況をどう乗り切ればよいのか!(7−6)〜

2010.1.12
外食に詳しいアナリスト、いちよし経済研究所・鮫島誠一郎主任研究員に状況分析していただくとともに、急成長中のエムグラントフードサービス・井戸実社長にも知恵を出していただき、百年に一度の大不況を乗り切る術を探る。7回シリーズの第6回。


中国人にも人気。光麺歌舞伎町店。

観光を振興して中国人を呼び込めば人口減も関係ない

 外食全体に波及するもっと明るい話題はないのか。

 鮫島氏は6、7月頃に支給される1万3000円の子ども手当のうち、一部は外食にまわる。2500億円くらいの外食需要が生まれると見ている。

 ただしその恩恵を受けるのは、回転寿司、焼肉、ハンバーグのような専門店、もしくは3世代が使えるワタミ「饗の屋」のような業態であって、1000円以上の単価の一般的なファミレスには行かないと考えている。

 さらに、鮫島氏が期待するのは羽田と成田の空港発着枠が広がることだ。特に羽田は24時間化していく中で、アジア、特に中国からの観光客を受け入れる窓口になっていく。そうなると中国人を多く集客できる店が有利だ。中国人の来日数は、一時期全世界的な不況の影響で落ち込んだが、09年夏以降プラスに転じている。

「中国人は去年100万人くらい日本に来ていますが、近い将来200万人になるでしょう。中国人は観光でヨーロッパ人の倍くらい、一人あたり16万円を使うと言われていますから、今でも1600億円の市場があり、3000億円くらいまで急成長する可能性がある。外食はそこに切り込んでいってほしい」。
<続く>

【取材・執筆】 長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2009年12月31日執筆

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