・直近の3ヶ月に生まれた「ニュー」キーワード、6つ
1) トリハイ
ハイボールブームが爆発的な人気となり、品薄になった角瓶に代わって、サントリーは7月からトリスウイスキーを使ったハイボール「トリハイ」を投入。角瓶からの切り替えが一気に進んだ。「アンクルトリス」のキャラクターはかつてを知る年配者と、当時を知らない若者をブリッジする役目を果たしており、トリハイは幅広い層に愛されるようになった。
ただし、角瓶の時のようにウイスキーへの繋がりは弱くなった。サントリーのTVコマーシャルを見てもチューハイ的な扱いをされており、角瓶が作ったウイスキーブームは萎んでいく可能性もある。
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2) おやじビストロ
40代半ばのサラリーマンが、居酒屋の後の2軒目として使う。
新橋といえば、サラリーマンの聖地。居酒屋がひしめき合い、ワインのイメージとは結びつかない場所だったが、ここ数年で低価格帯のカジュアルなビストロやバールが急増。“ワイン通り”とも呼ばれるエリアも出現。男同士、しかもオヤジ世代でワインを飲む姿が多く見られるようになった。円高で輸入ワインが安くなり、2000円台でボトルを販売する店が増えている点もオヤジをワインに走らせる要因。
「最近また久しぶりにワインを飲み始めた」という中年男性の声もあり、新橋・浜松町・田町というサラリーマンの飲酒メッカ地帯にこの動きは広がり、全国主要都市にも広がりそう。
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3) 東京「新浜田」地区
新橋は、東京電力関連の企業が多い。
不況が長引くなかで、居酒屋でお金を使ってくれるのは、居酒屋に行き慣れた中高年サラリーマン。彼らが多くて、しかも老舗大手企業が多く、給料が不況の影響を受けにくいエリアとしてあげられるのが、新橋、浜松町、田町。
居酒屋に行くことが習慣化されており、そのスタイルを変えないお客が多く、リピーターとなってもらえれば店の売上は安定する。新宿、池袋といったフリー客を相手にする立地から、リピーター客を相手にする「新浜田」地区に出店をシフトする居酒屋が長引く不況とともにじわじわ増えている。
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4) 鳥から鶏へ
ノーブランド鶏を焼き肉スタイルで提供する「あきら」、「鳥番長」。写真は「あきら」。
不況で安いメニューへ流れたり、銘柄鳥同士の味の違いが分かりにくいなどの理由から、ノーブランドで十分と考える消費者が増えている。基本的に鶏肉はノーブランドでも新鮮であれば肉が柔らかくて美味いもの。その基本に帰る動きが出て来た。
ノーブランドを七輪でを焼く「あきら」(東京・中目黒。丸の内)、「鳥番長」(東京・馬喰町、上野)が人気で、新鮮な国産産直ノーブランドに拘った280円均一焼鳥居酒屋「鳥貴族」は200店舗を超える。
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5) 食べるラー油
ラー油鍋は今年の冬の話題になるか?
この夏の家庭市場も巻き込んだ最大の食の話題は、具だくさんの食べるラー油。火付け役は沖縄のラー油。島唐辛子を使った「石垣島ラー油」や、久米島産にこだわった「くめじまラー油」などが通販や沖縄物産展で数年前から大人気。2009年8月には桃屋が食べるラー油「辛そうで辛くない少し辛いラー油」を発売して品薄状態が続いた。
この人気にあやかって外食でもラー油を使ったメニューや、店独自に作ったラー油を店内で販売する店も現れた。そして、この冬、ラー油鍋が話題になりそう。
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6) 市町村タイアップ食材
「ご当地酒場 八雲町」。町内の仕入企業名が看板に掲げられる。
市町村の名称を冠し、その市町村で獲れた食材をメインに提供する店をじわじわ見かけるようになってきた。「ご当地酒場 八雲町」では北海道の八雲町の町役場と提携。現在、日本橋そして浜松町にもオープン。そのレセプションでは町長もわざわざやってきた。また、釧路港の魚介をウリとする赤坂の「北の幸・釧路港」でも釧路市長も登場。
都道府県という広いくくりでは、新鮮味がなく差別化しにくい。外食企業にとっても規模の小さい市町村の方が協力を得やすく、市町村にとってもその住民に成果を示し易いという双方にメリットがあるようだ。B級グルメの祭典「B−1グランプリ」とも相まって市町村単位で全国に情報を発信していこうという機運がある。
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