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2010年12月5日
 ナプキンメモが書ける店を増やしたい。

 先日、サントリー時代に一緒に様々な企画を立てていた広告代理店やメディアの方々と飲む機会がありました。皆さん、60歳前後ですが、昔よりふっくらされて、より迫力が増していました。いい人生を送られてきたんですね。

 当時は、バブル。マーケティングや広告の世界では、誰もやったことのない企画を作ろうと、皆でしのぎを削っていました。

 そんなアイデアを生みだしていた場が、飲食店。

 ユニークな店が出来たと聞いては、毎晩のように飲みに行っていました。映画エイリアンの生みの親、ギーガがデザインした「ギーガバー」、映画ブレードランナーのシド・ミードがデザインしたディスコ「トゥーリア」。その奥にあった円形カウンターのバーは特に好きでした。ワクワクしながら通いました。

 未来志向の店ばかりではなく、防衛庁の角にあった、米兵のたまり場だったバー(名前は忘れました)。ドキドキしながら入りました。

 そんな店に入ると、気分が高揚して、仲間と話し合っているうちに、どんどんアイデアが生まれて来ました。アイデアを忘れまいと、ナプキンにメモしてポケットにしまう。翌日読むとくだらないものも沢山ありましたが、その中から実現したものも沢山ありました。

 バブルの最中で、日本に元気があって、世界をリードするのが日本だと皆が思っていた時代です。昔の仕事仲間と飲んで、そんな時代を思い出しました。

 飲食店という自由な表現方法のとれる場が、クリエイティブなアイデアを生み出し、日本に活力を与えていたのではないでしょうか。1970年代、ファミレスが生まれた時代も、ファミレスという当時の非日常の店に行くことで気分が高揚し、新しいアイデアを生みだし、日本の高度成長を支えたと思います。

 残念ながら、今は行くことで気分が高揚するような店はほとんどありません。日本も世界からとり残された感があります。

 外食から日本を元気にする、と様々な方が言います。提供するのが「癒し」では、日本は元気にならないと思います。もっと踏み込んで、アイデアを生み出せる、お客が高揚できる店が必要なのでは。

 日本を元気にするのは、景気が先か、アイデアが先か分かりません。今、外食が貢献できることは景気を回復させるようなアイデアを生み出す場を提供することだと思います。

 高揚させる店、すなわち、お客に「刺激」を与えて、日常から「解放」してくれる店です。

 さらに外食の良い所は、アナログで仲間と話し合える点です。一人でフリスク(?)を食べて思いつくのもいいですが、思いついたアイデアをその場で高揚した仲間と磨きあげればもっと良いものが生まれてくると思います。

 低価格志向がはびこり、長引く不況を打破して、日本人であることに自信を持ちたいと私は思います。来年に向け、フードリンクは「刺激」「解放」をもたらしてくれる、クリエイティブな店を発掘していきたいと思います。

 また、外部ライターとして活躍していた村田麻未が、社員としてフードリンクニュースの編集に先週から携わり新体制に変わりました。ツイッターも始めています。

 インターネットメディアならではの一般人を巻き込めるメリットを活かして、【外食市場のセールスマン】として外食の魅力を発信し続けていきます。

 来年5月には、月間PV200万の達成を目指していきます。11月は108万PVでしたので、約2倍です。新体制のフードリンクニュースへのご支援、よろしくお願いします。


(安田 正明)
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